小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
bg_top
alwHOMEalw読んでみるalw意匠(14) 石造

意匠(14) 石造



木骨石造
 平成23年3月現在で小樽市指定歴史的建造物は65棟あるが、そのうち木骨石造が18棟もある。純粋な石造(本石造)が旧日本郵船・旧北海道銀行・旧上勢友吉商店・旧板谷邸洋館の4棟あるが、ここでは木骨石造についてである。
 1992年の調査では木骨石蔵の建物が345棟存在し、地区別では色内に80棟、堺町に32棟、稲穂に25棟、入船に24棟、住吉に19棟と過半数が集中し、石造の建築年代では、明治167棟、大正141棟、昭和58棟となり、昭和期に減少するのはモルタルやRC造が代替してきたことによる。
<小樽市の歴史的建造物>

目的
 指定中最も早い時期に建てられたのが、明治20年旧金子元三郎商店であるが、この構造にした目的は防火対策である。
明治18年5月20日:入船町130戸焼失
同年6月10日:入船町348戸焼失
明治19年5月20日:入船町123戸焼失
明治20年6月9日:永井町(南小樽駅の海側)400戸焼失
という大火が大きく影響していたと想像できる。
 しかも倉庫や蔵となれば、大事な物を保管する用途であることから防火対策への気遣いは当然だ。
<『小樽歴史年表』>

美観
 壁は木造に比べて無機質で、煉瓦に比べて冷たいが、大理石に比べて温かく、モルタルやサイディングに比べて重厚だ。以上は結果論である。そもそも小樽の石壁は凝灰岩で俗に札幌軟石や小樽軟石と呼ばれ、防火を意図した際に合理的に調達できたことが原因だ。
 木骨石造が小樽独自の建築様式とまではいえないにしても、この多さは小樽の街並みの美観であることは間違いない。
 小樽ではニシンがまたとれ出したが、肥料は化学肥料に代替されてきた経済的理由により、ニシンが肥料化されないように、凝灰岩がまだ産出可能でも、経済的理由でコンクリートへシフトした。美観的特質も経済に左右されるということか。