小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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地産(13) 後志でなにが生産されているの

ブドウ
fruits farm ARA(フルーツファーム・アラ)
代表 荒  真仁 氏



農業に導かれて
 余市町美園の丘陵地帯に荒氏の農園が広がる。妻の絵里さんとの二人三脚でスタートした農業。今年で2回目の秋を迎えた。
 元々、荒氏はニセコのひらふ地区で外国人が経営する不動産会社に勤務していた。近年、外国人が多く滞在するニセコなら、学生時代からの語学を活かせると考えたからだ。しかし世界的なリーマンショックはニセコにも影響し、経営環境を縮小せざるを得なくなり荒氏は転職を考えるようになった。
 一方その頃、学生時代から交際していた絵里さんはタイでのボランティア活動期間が終了し、日本へ帰国する時を迎えていた。偶然、同じ時期に二人は新たな仕事を模索するタイミングとなった。荒氏は将来を見据え、毎日情報を整理していたが、飛び込んでくる情報が不思議と「農業」の二文字がキーワードとなっていた。絵里さんも帰国後の仕事を友人知人に相談していたが、そこでも、偶然「農業」がキーワードになっていたという。しかも絵里さんの祖父はかつて余市で果樹を栽培していたのだった。
 こうして二人は必然的に農業へと導かれていった。サラリーマンから経験のない農業への道。この転職に荒氏の親は反対するものと思っていたが、思いがけず後押ししてくれたのだった。

農園のスタート
 2009年、数年間手つかずだった絵里さんの祖父の果樹園を手伝わせてもらい、栽培技術を身に付けつつ、自分達の農園を始めるため、余市町内で農園の売り物件を探していた。美園地区の農園を10月に訪れた時、見事なブドウが実る畑に出会い、しかも農園を譲ってくれるとのことで決断した。それが今の農園。2010年春、フルーツファーム・アラがスタートした。
 荒氏は29歳。札幌出身。絵里さんは恵庭出身。若い新規就農者、しかも移住してきた二人に周りの農家は親切だった。農業経験のない二人に栽培のノウハウを細かく指導してくれた。
 果樹は1年に一度の収穫。失敗するとすぐに生活は行き詰まる。そんな不安や緊張感が今もあるが、果樹栽培の難しさと奥深さを二人は面白さに変えて夢中で取り組んでいる。

手間ひま
 農業は手間ひまのかかる仕事。ブドウ栽培も例外ではない。特に種なしブドウを栽培するには他のブドウよりも作業工程が多い。一番のポイントは「ジベレリン処理」といって「デラウェア」と「旅路」の2品種を「種なし」にするための作業だ。1回目は花が咲き出す約2週間前。2回目は花の時期が終わり、房が大きくなった時この処理をする。写真のようなカップに入った液体に一房一房浸していくのです。
 地道で大変な作業だが、確実に行わなければ「種あり」として育っていく。また房の上の方に液がついていなかったら、そのついていない部分は種が入ってしまうという。つまり種なしブドウとして出荷できるものにならない。この作業は到底二人だけで出来るものではない。天候や生育状況を見極め、友人、知人、親も含め短期間に一斉に終わらせなければならない。また生育過程ではツルを切ったり、余分な葉を落とし日当りを良くしてあげたりと、細かな手間がかかる。すべての作業が年に1回の秋の収穫を迎えるためのものだ。

自分達の未来図
 丹精込めて作ったブドウは大事に出荷したい。そんな思いがロゴ入りのオリジナルパッケージとなった。個人向けに発送する際、単なる農産品の箱ではなく、自分達の思いを伝えるため、そしてこのパッケージを見たお客様が、安心でおいしいと思うようになればと願っている。
 しばらくは農業の修行が続く二人だが、自分達が目指す将来の姿を夢見ている。荒氏は栽培技術を磨き、品質の良いブドウを作り、いつかはそれがブランド化されたらと思っている。絵里さんは大好きな雑貨と農業を融合させた農園が夢。農園内で雑貨のショップを展開し、色々な人が訪れる農園にしたいという。こんな夢を実現するため、今はとにかく品質のよいブドウ生産することに尽きるという。
 見事に実った「旅路」「キャンベル」を黙々と箱詰めする姿が印象的だった。

fruits farm ARA
〒046-0014 余市郡余市町美園町400-1
TEL 080-1876-0429
Email:fruitsfarm_ara@me.com
URL:http://web.me.com/fruitsfarm_ara/
*ブドウの購入希望の方は電話又はメールでお問合わせください。