小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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意匠(25)

帆前掛け



前掛け
 「前掛け」は江戸時代中期以降の名称で、それ以前が「前垂れ」と呼ばれていた。素材は古くは主に麻が用いられ、元禄(1688〜1704)以降は紬、ちりめんなども用いた。
<『世界百科事典』平凡社>
 「前掛」は衣服の汚れを防いだりするために体の前面の部分、特に腰から下の前をおおい、後で結びとめる紐のついた布。
<『日本国語大辞典』小学館>

傾向
 最近では前掛け(エプロン)も素材や長さやデザインが多様化し、なかなかオシャレなものも増えている。主婦の台所着は身近な風景だが、酒屋・魚屋・八百屋・豆腐屋・居酒屋という商店、さらには農家や職人にも広く普及している。ただし百貨店やスーパーでは見かけない。

帆前掛け
 さて「帆前掛け」の小樽への伝播である。北前船が小樽での商いの契機であることは論を待たない。だから北前船商人が小樽で最初に使ったと類推することは可能だ。ただ北前船の帆と帆前掛けの生地はいずれも綿であるからといって、「帆前掛け」の由来にはならない。なぜなら、帆前掛けは北前船が成立する以前の元禄期には広く普及していたからだ。また同じ綿でも舟の帆は前掛けより厚く折り込まれている。
 一説では、「漁師が古い帆を前掛けに転用したことから帆前掛け」と愛知県豊橋(日本一の帆前掛け生産高)では伝えられている。
 また、別には帆前掛けの長方形の形が舟の帆に似ているからだという説もある。
 ちなみに「印帆前掛け」なる用語もあり、自らの印を藍染めしたものをいう。

<写真:小樽で使われていた帆前掛け(秋野治郎氏所蔵)>