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観光学(39) 観光を読む

自治体による観光キャンペーン
北海道大学 観光学高等研究センター
センター長・教授 石森 秀三


<写真提供:広島県>
<写真提供:広島県>

うどん県=香川県
 昨年10月に香川県は「うどん県。それだけじゃない香川県」という観光キャンペーンを開始した。香川県の調査では、香川の魅力のトップは「うどん」で69%、観光客飲食状況でも「うどんを食べた」が66%でトップ。まさに「香川県=うどん」というイメージが固定化しているために、うどん以外の観光資源に注目してもらうために新しい観光キャンペーンがスタートした。
 香川県が「うどん県」に改名した、という設定で俳優の要潤さんが副知事役になってキャンペーン動画を公開したところ、アクセスが殺到。その結果、「うどん県」の話題が激増し、大きなインパクトが生じた。今年五月のゴールデンウィークに香川を訪れる人が増加し、各地の観光施設も前年対比で1割〜3割の増加になった。

RYOMAの休日
 高知県は現在「龍馬(RYOMA)の休日」と名付けた観光キャンペーンを展開している。キャンペーンのタイトルはタレントの大橋巨泉さんが2011年に高知県を訪れた際に、山海の幸を食して感動し、「RYOMAからYを取ったらROMAになる。昔はローマの休日、今はリョーマの休日」と提案したことにもとづいている。
 映画「ローマの休日」は1953年の作品で、W・ワイラー監督、グレゴリー・ペックとオードリー・ヘップパーン主演で世界的に大ヒットした名作。私もこれまでに何度も鑑賞したことがある。
 この観光キャンペーンでは、Rは「ロマンの休日」、Yは「やすらぎの休日」、Oは「おいしい休日」、Mは「まなびの休日」、Aは「アクティブな休日」などの意である。ロマンの休日ではイベント「龍馬に大接近」や脱藩ウォークやパワースポットめぐり、やすらぎの休日では花のイベントや癒し・セラピー関連プログラム、おいしい休日では市場見学や食関連の体験、まなびの休日では室戸ジオパークやまち歩き、アクティブな休日ではカヌーやラフティングや鍾乳洞冒険、などが用意されている。

おしい!広島県
 広島県は今年3月から「おしい!広島県」キャンペーンを開始した。広島県は昨年、広島の観光資源に関する全国調査を実施。その結果、認知度50%以上は「原爆ドーム」「厳島神社」「カキ」「お好み焼き」「尾道」のみ。「新鮮でおいしい」などのプラスイメージを加えて聞き直すと、「しまなみ海道の島々」「鞆の浦」「世羅の花巡り」「瀬戸内海クルーズ」「果物狩り」などの16項目で50%以上の興味・関心が示された。つまり、広島県は知られていない観光資源(宝)が多いが、知れば関心をもってもらえることから、「おしい」は「おいしい」の一歩手前という意味付けで新しいキャンペーンがスタート。
 毒舌で知られる広島県出身のお笑い芸人、有吉弘行さんを観光大使に起用。有吉さんを中心にストーリーが展開するPR動画が大人気になり、約1ヵ月で専用ウェブページへのアクセスが約170万件に及んだ。
 豊富な観光資源が全国にはあまり知られていないために、広島じゅうの「お(い)しい」を全国に発信し、広島への観光客を増やし、「おしい」を「おいしい」に変えていく。毎月04日を「おしいの日」に制定し、「おしい!広島県」の旗印の下で県民の心を一つにして、「おいしい!広島県」の実現を図る。「愛おしい!広島県」という気持ちをベースにした観光キャンペーンといえる。