小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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COLUMN

成果〜手続きと結果〜
編集人 石井 伸和


役人と民間
 役人が常時心掛けている成果は完璧な手続きである。公人という立場では、どこからつつかれても法律や契約にしっかり則っていなければ、公人としての責任を問われるからだ。
 これに対して、民間が常時心掛けている成果は結果である。試合に勝つ、会社で利益を上げる、新たな時代をつくるなど「結果を出さなければ」という意味での目的達成度に尽きる。何故ならそのために苦労をし、結果次第では責任問題になるからだ。
 この点、手続きがしっかりされていれば、どんな結果が出ようと役人は責任を問われない。現在の中央集権では、国家官僚が地方官僚にやかましく手続きの不備を指摘し、どこに出しても矛盾しない手続き業務に苦労している話はよく聞く。計画書の作成、計画内容の変更手続きと理由、経費の内訳作成、支払いの執行とチェックなどその業務は多岐に亘る。
 しかし民間では「俺についてこい」式に、結果を出すことにエネルギーと気遣いが傾くから、手続きが杜撰であったり、計画の順序に矛盾も生じる。

民間内部にも
 いずれにせよ社会にはこの二通りの責任感がなければ前にも進まなければ管理もできない。だからどちらが大事ともいい難い。民間が目的達成のためには不法や不正にふれることも充分あるし、官僚が完璧な手続きのために目的達成の足を引っ張ることもよくある。
 一定の結果を出すことをパフォーマンスといい、組織の管理をすることをメンテナンスという。だから既述の組み合わせは民間の中にさえある。営業部長が「行け」といっても総務部長が「待て」というのも同様だ。

歴史もまた
 ならば人類の歴史もまたこの葛藤といっても過言ではないだろう。振り返れば歴史は大きな変革を遂げてきた。一国の歴史は世界の社会環境の変化に対応するために藻掻いてきた。歴史に「もしも」はないが、果たして幕藩体制で今日のグローバル化に対応できたかは甚だ疑問であるように、ダーウィンを持ち出すまでもなく、時代の変化に対応することが歴史を紡ぐ最大のテーマともいえる。

優先度
 all or nothingではなく、時代と場合によって優先度は異なる。現代の日本は欧米の先進国といわれる国々と文明度の視点で、充分肩を並べた。ここでさらに飛躍的発展を考える方もおられるが、とりあえず「成熟」という認知は周知であることから、成熟を前提とした「国際化」「地域化」の社会環境で、新たな指針を模索する時代といえる。因みに1990年が既存産業のピークといわれるが、既存産業は以後、右肩下がりの傾向にある。だから新旧問わず産業は新たなライフスタイルやビジネススタイルを模索している。
 つまり現代の日本は変化や進化に向けた手掛かりを誰もが求めている。特に組織への依存率の低い女性の中に、身につけた能力を活かしてコンピュータ端末を使い特定の事務所や肩書きを持たないノマドワーカーのようなビジネススタイルを実現させていることをみると、変化や進化への手掛かりを外的な力を借りてプロジェクト化する動きが今後多発するだろう。
 既存産業を支える既存組織が組織を維持しながら最少のリスクで指針探しをする構図だ。
 新たな指針は必ずみつかる。歴史がそれを証明している。ならば既存組織の維持を基盤にするより、新たな指針のビジネスモデルを自立させ、そのモデルに対応できる組織づくりをした組織が次代の旗手となる。ならば結果あるいはパフォーマンス優先の時代であることは論を待たない。