小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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編集後記

頼まれごとと頼まれぬこと


 誰に頼まれもせぬことを誰もがしている社会は来るだろうか。この心境は個人の志とライフスタイルとが合体し社会のビジョンに同化することを表している。「小樽のために仕事を創る」「小樽のために街並みを創る」「小樽のために文化を創る」あるいは「小樽のために国際化を図る」「小樽のために若者を呼ぶ」でもいい、公のために私が動く動機はなんでも構わない。
 仕事以外で、あるいは銭になること以外に、誰かに頼まれることは人と人が存在する限りなくなることはないし否定すべきでもない。しかしそれだけではその社会は全て後手に回ってしまう。「こういう社会を創ろう」「こういう小樽を築こう」というビジョンがあっても、築こうとする意思は頼まれごとに埋没することもままある。
 頼まれごとを最も抱えない世代を若者という。頼まれるかわりに期待を背負っているが、期待が頼まれごとになる前に志に変化してほしい。公に対する夢と希望を培うには最適な資格である。


歴史文化研究所
副代表理事・編集人 石井 伸和