小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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編集後記

長寿先進国


 日本は世界一の長寿国だ。長生きは世界人類の望むところだ。かつて一億総中流階級を実現した国が、今度は長寿国の先端にいる。なんとすばらしい成果だろう。
 昭和時代後期に一億総中流階級を実現する過程で、人々の絆が固く結ばれたように、平成の今、長寿国による新たな進化を目指せないかと思う。
 世界は近代以降、集中と分散を実に合理的に推進してきた。ここに一つの問題意識を喚起する言葉がある。「身土不二」である。その土地でとれた食物と身体は切り離せないという意味である。近代前には広域商業も広域移動も限られていたから、身体からの排出物は有機肥料となり、その肥料で実ったものを食べていたことからきている。
 若い頃、旅に出たら水には気をつけろと親に言われたことを思い出す。水はその土地の食料の原点だからだ。
 現在、あらゆる地域でつくられた食品を食べられるようになった幸せを我々は享受しているが、今一度「身土不二」を見直し、食生活を考え直す必要を感じる。

歴史文化研究所
副代表理事・編集人 石井 伸和