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漁獲(1) 後志でなにが漁獲されているの

ニシン
小樽市漁業協同組合
成田 正夫 氏


成田 正夫 氏
成田 正夫 氏
概要
 成田家は明治時代に初代寅治が秋田県から入植し、高島の前浜でおもにニシンをとっていました。そして二代目幸三に引き継がれ、現在は正夫を父として、長男 学と次男 宏幸の3人で漁業を営み、ウニ・タコ・シャコ・アワビ・ヤリイカなど浅海の魚介類をとっています。

熊碓海岸の群来(2009年3月小松原一高氏撮影)
熊碓海岸の群来(2009年3月小松原一高氏撮影)
北海道でのニシンの再来
 かつてのニシンは北海道サハリン系群(通称春ニシン)でしたが、現在は石狩湾系群ニシンがとれています。
 北海道の日本海側では、1996(平成8)年には天然のニシンは10トンそこそこでしたが、同年から毎年、北海道が主体となって稚魚16万尾を放流し、1997(平成9)年には100〜200トン(天然ものと思われる)、そして2004(平成16)年には1000トンを超え、今年は3月18日現在、石狩湾漁業協同組合だけで1190トンを超えるペースで、日本海全体では1700トンを超えています。放流の場合は稚魚に標識をつけますが、現在漁獲されているニシンでは、1000匹に1匹の割合でしか標識が確認されていません。まだ、どちらとも断定できませんが、天然ニシン、あるいは、放流されたニシンの子孫である可能性もあり、稚魚の放流や漁業管理などの資源増大に取り組んできた結果でもあります。
<北海道立中央水産試験場資源増殖部 滝谷 明朗氏>

ニシンの水揚げ(2009年3月小松原一高氏撮影)
ニシンの水揚げ(2009年3月小松原一高氏撮影)
小樽でのニシンの再来
 小樽では2003(平成15)年から小樽市漁業協同組合が年間10万匹を放流、2005(平成17)年から2歳魚以下をとらないような網を開発した結果、2007(平成19)年3月の総水揚げ量が、過去10年間で最高の220トンに達しています。この数字は「最後の群来」といわれた1954(昭和29)年の年間900トンの約4分の1に相当します。後志支庁の統計では、管内のニシン漁獲は302トンを記録し、他の魚種を抜いて伸び率がトップに躍り出ています。
 今年はこれまで、小樽管内だけで4カ所8回の群来が確認され、小樽市漁協では500トンを超えるペースになっています。
<北海道新聞2007年4月4日・2007年8月8日・2009年3月19日>

成田 正夫氏の話
 私は毎日、朝、網を刺して、翌朝に揚げています。6年前くらいからニシンがかかるようになり、今年は過去最高の漁獲です。ニシンは未明にかかってくる確率が高いと思います。
 祖父の時代にはニシン専門でしたが、自分の代でニシンが漁獲されたのはこの石狩湾系ニシンが初めてです。
 ニシンの昔の話は耳にタコができるほど聞かされてきたせいか、祖父が体験した興奮の一端がわかる気がします。
 現在の漁法も刺し網で、昔と全く変わりませんが、素材が化学繊維になったことと、編目を2寸目以上にして、小さなニシンまでとらないようにしていることが違っています。
かつては産卵期、つまり漁獲期は毎年4・5月でしたが、今のニシンは1〜3月に集中するという違いがあります。この時期は、私にとっては閑散期になっていますが、ニシンのおかげで大変忙しくなり、まさに天の恵みと感謝しています。

地産の行き先
 現在小樽管内で漁獲され、小樽市漁協にあげられたニシンの約20〜30%は小樽市内の中央市場・南樽市場・三角市場などの市場で販売されていますが、過半数が道内外に出荷されています。また、小樽市内の加工業者にも卸されています。
<小樽市漁業協同組合 三上 邦夫氏>

地消への試み
 放流事業の主体者である小樽市漁協では編目を2寸目以上にしていますが、それでも市場に受け入れられず、いわゆるハネモノ扱いになる小さなニシンもあります。これらのハネモノを無駄にせず、管内の水産関係ネットワークで有効活用する動きも芽生えています。
 北海道中小企業家同友会しりべし・小樽支部では、水産経営部会設立準備会(伊藤正博代表世話人)が設置され、会員の漁師・加工業者・飲食店などが連携して、加工品や飲食メニューへの活用が研究されています。
またすでにニシンの魚醤開発に成功した田中酒造と小樽海洋水産がJVを組んで販路を開拓中です。