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食文化(2) 味わいの話

アスパラガスの食文化
焼いてよし 炒めてよし ゆでてよし


岩内町にある「日本のアスパラガス発祥の地」記念碑
岩内町にある「日本のアスパラガス発祥の地」記念碑

アスパラガスとは
 アスパラガスは、ユリ科の多年草植物で、原産地は南ヨーロッパの地中海沿岸あたりといわれ、紀元前から薬用としても用いられてきました。
 日本には江戸時代に観賞用として入り、今でも生花店で見ることができます。食用としては、戦前に岩内から栽培がはじまり、後志地方を中心に盛んでしたが、輸出用缶詰に加工されたため、生食用としてはほとんど普及していませんでした。
 アスパラの仲間は日本にも4種類が自生していますが、食用にはなっていません。ただ、アスパラと同じユリ科の多年草植物のシオデ(山アスパラ)は、アスパラと似た味の山菜として人気があります。
 アスパラは栄養価が高く、疲労回復に効果があるアスパラギン酸をはじめ、とくにビタミンやミネラルをたくさん含んだ健康的な野菜で、食用としているのは、若茎といわれるところです。種をまいてから2年で収穫でき、長くなると10年以上も収穫することもできます。

アスパラガスの今
 北海道庁の統計によると、作付面積は1985(昭和60)年と比べて43%、収穫量は1980(昭和55)年と比べて30%に落ちています。
 もともと寒冷地に適した作物だったアスパラですが、近年では栽培技術(虫の害を避ける技術など)の進歩により、温暖な九州地方でも栽培が盛んです。これは、アスパラといえば北海道というイメージがあるわたしたちには意外な気がします。現在では、アメリカをはじめ、オーストラリアやメキシコなどからも輸入され、1年中食べることができます。

ホワイトとグリーン
 アスパラにはホワイトアスパラとグリーンアスパラがありますが、その差は栽培法によるもので、種類が違うわけではありません。芽が出る前に土をかぶせて光をさえぎって葉緑素ができないようにすると白くなり、土をかぶせずに光をあてると葉緑素ができて緑色になるということです。
 かつては缶詰のホワイトアスパラが主力で、サラダとして出されていたことが多く、おかずの主力とはなっていませんでした。わざわざ手間をかけてホワイトアスパラにしたうえ缶詰に加工していたのは、輸出するためで、グリーンアスパラが、青果店の店頭に並ぶようになって普及したのは1970年代で、それほど前のことではありません。
 グリーンアスパラをはじめて食べたときは、しゃきっとした食感や味が缶詰とはあまりに違うことに驚いた人も多いのではないでしょうか。栄養価もグリーンアスパラの方がより高くなっています。

2ヵ所にある「発祥の地」
 日本でのアスパラ発祥の地を示す記念碑は、岩内町と喜茂別町にあります。記念碑の名前は、前者が「日本のアスパラガス発祥の地」で、後者が「アスパラガス栽培発祥之地」となっています。
 岩内では、大正時代に下田喜久三が栽培技術を確立し、輸出用として本格的に栽培を開始。やがて後志・石狩地方へ拡がり、缶詰工場も設立されました。ところが、第二次世界大戦で輸出に頼っていた缶詰産業は大打撃を受け、栽培も壊滅状態になってしまいます。
 戦後はかろうじてアスパラ栽培を続けていた喜茂別から復興、戦前とは逆に岩内などへ拡大しました。戦前の栽培品種から輸入品種へと切り換えて発展しましたが、輸入の増加につれて缶詰生産は大きく減少しています。岩内は戦前(日本初)発祥地、喜茂別は戦後(復興)発祥地ということでしょう。
 代表的ベーコン巻のほか、焼く、炒める、ゆでると、シンプルな調理法でも、おいしくて栄養豊富なアスパラガス。これからが北海道の旬の季節です。


<記念碑に見る北海道農業の軌跡>
<アスパラガスの絵本>