小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
bg_top
alwHOMEalw読んでみるalw収穫(3) 後志でなにが収穫されているの

収穫(3) 後志でなにが収穫されているの

メロン
夢 畑
代表者 連  茂 氏


夢畑 代表者 連 茂 氏
夢畑 代表者 連 茂 氏

夢畑
夢畑

北への道程
 連 茂氏は奈良県出身。高校時代、島根県隠岐島の自然にふれたことがきっかけで東京水産大学に進学しました。進学後、北はアラスカ、南は沖縄と各地を旅し、さまざまなアルバイトを経験し、卒業後、旅行会社に就職しました。しかし、厳しい営業活動を続けるにつれ、都会での生活に疑問を感じ、1993(平成5)年、東京を離れ、夫人と2人で農業を目指し、肌に合う北へ向かう決意をしました。
 水産系から農産系への転身は意外な感じがしますが、学生のころから農業には興味があり、友人には農業への夢を語っていました。

新規就農
 就農先を見つけるため、まず函館へ上陸。農協や役場を訪ね歩き、長万部町から黒松内町へと情報を求めに行きました。黒松内町は移住者を受け入れる環境があり、魅力ある町でしたが、農業をするうえでの土質があまり良くなく、仁木町、余市町、赤井川村を紹介されます。そして赤井川村役場を訪ねたところ、のちに村長となる竹田産業課長から、就農するのであれば支援するとの話を受け、移住を決めました。
 農業へのスタートです。まず先輩農家にアルバイトで入り、メロン・ジャガイモ・トウモロコシの栽培を学び、その後独り立ちしましたが、思わぬ試練が待っていました。

営農危機と転機
 栽培は順調に推移しました。ところが、市場の値崩れの影響で原価割れの状態が2〜3年続き、経営・生活にも大きく影響を及ぼすことになりました。不特定多数の顧客を対象とした流通システムの限界を感じざるを得ませんでした。この経験を機に、精魂を込めて作ったものを個人宅へ販売できないかという思いが、今の通信販売という形態になりました。今から12年前のことでした。

夢畑のルピアレッド
夢畑のルピアレッド
顔の見える関係づくり
 現在、メロンはルピアレッドという赤肉の品種を栽培しています。このメロンもすべて収穫後は個人宅へ発送となり、9割が道外、主に関東地方とのことです。キロロリゾートの企画「もぎとり体験」の参加者や畑の見学者が後に顧客となり、そのお客様の紹介で輪が広がっています。これらのお客様は「夢畑」のメロン畑とその味を知っており、前年購入したメロンの味を覚えているので、味が違うと、厳しい審判が待っています。そのため連氏はお客様の期待に応えるため、すべてのメロンの顔色を毎日観察し、メロンの声を聞き、今、生長に何が一番必要なのかを見極めます。
 通信販売の生命線は正直で親切な対応と品質管理がすべて。これを裏切ると来年の注文は来ません。プレッシャーと緊張感で品質を維持しているといっても過言ではありません。
 連氏のこだわりは、お客様の自宅へ到着する日から逆算して畑から収穫するということにあります。到着してすぐ食べたいというお客様の声に対応するためです。このこだわりと気配りがリピーターを増やしていく要因となっているのです。

10年先を見据えた農業
 お客様が何を求めているのかが分かる農業、そしてお互いの顔が見える農業。買っていただいたお客様の食べる姿を想像すると、必然的に手間のかかる無農薬で栽培せざるを得ません。そのためメロン栽培にも自然のメカニズムを活用し、メロンの根に対して病害を与える菌を減らすため、ネギの混植栽培にも取り組んでいます。このような日々の栽培努力とお客様へ2ヶ月に一度の近況を伝える「夢畑通信」の送付など、きめ細かな努力で確かな手ごたえを感じています。
 12年間のチャレンジは、確実に10年先が見える農業となっています。