小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
bg_top
alwHOMEalw読んでみるalwコラム 脱依存

コラム 脱依存


依存の系譜
 江戸時代に蝦夷地といわれていた北海道が、国際的に日本領土というケジメをつけられたのは、1854(嘉永6)年 日露和親条約(下田条約)ですが、この時代は理不尽極まりない帝国主義の恐怖と、それに対抗しようという抵抗力がにじみ出して、北海道を軍事的にも近代化の実験地としても早く開発してしまわないとという焦りがありました。
 北海道は現在でも北海道庁という自治体と、北海道開発局という国の機関の二重構造で管理されています。

脱依存の系譜
 こんな北海道ですが、たとえば後志管内の共和町では、1857(安政4)年徳川幕府が前田幌似、発足常見に御手作場を設けて以来、移民の人々の試行錯誤が繰り返される中、明治以後、開拓使のお雇い外国人の指導を蹴ってまで独自の農法を確立し、それが今日の発足農業に至っています。なんとも小気味のいい話です。
 少なくとも厳しい自然の北海道に移住した人々の心根には、このくらいの旺盛な自立心があったはずです。
 一方、小樽は開拓の玄関口だったので、進取の気性を持つ多くの商人が一財産築きました。これらのビジネスモデルは前時代に活躍した近江商人から多くのヒントをもらってはいますが、これまでにない多分に新たなモデルでした。

脱依存の契機を
 企業側もさることながら消費者側にも見逃せない依存症があります。なんでも中央のものを欲しがる嗜好です。お酒・ビール・ワインなどの酒類、菓子・加工品などの食品、衣服・小物・装飾品などのファッショングッズ、これらのコマーシャルに従順な傾向は否めません。
 確かに移民してきた人々には、江戸や京都の都への憧れをひきずってきたこともあり、「都に追いつけ」という意識があったでしょう。京都・大阪からの「くだりもの」が第一級品という時代でした。
 であれば逆も真なりで、「都を北海道につくろう」という意識があっても不思議ではありません。作る側も買う側もしっかり地域の品質を洗練化させる運動があってもいいと思います。
 デパートやスーパーがPB(プライベートブランド)を創出してきたように、各地域がRB(リージョナルブランド)を創出する運動があってもいいと思います。

依存と自立の相克
 これまでの地方の経済活性化の最大の手法は公共事業誘致や大企業誘致でした。公共機関や大企業は安定し、支払いも間違いなかったからです。公共事業を受注したり大企業の下請けに入ったりすることは、地方経済にとってなによりも「イイ話」だったのです。
 一方、2008(平成20)年のアメリカのサブプライムローン発の金融危機以来、日本の多くの大企業が大赤字となり大リストラを決行しています。
 この現象は公共事業神話と大企業神話が崩れた証といえます。いわば中央神話の崩壊です。
 かつて豊漁であった鰊が去っても、多くの漁師が鰊を待ち望み続けたように、一度美味しい蜜を味わえば、誰でも恋しいものです。
 ですから公共事業誘致や大企業誘致の手法にこだわり続けるのことは今後も簡単に消えることはありません。
 これに対して地域のオリジナル産物は、決して目立ちませんが、たとえば食品における北海道ブランドは、全国はもとよりアジアに着実に浸透しはじめています。この現象は北海道の素材が世界に通じる普遍性を持っていることを表しています。すなわち北海道の素材の新しい商品開発やマーケティングを修練していけばいい段階にまで達していると思われるのです。
 夢は待たずに持ち、イイ話はもらわずつくり、傘下に入らず雨天に駆け、景気に頼らず契機を探す、そんな自立心旺盛な小樽気質を…。