小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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小樽巷文化考

「比べるのが悪い」〜小樽と横浜〜


港町ヨコハマ
 先日、上京した折に、横浜に寄ってみました。現在の横浜市域はかなり広く、北部には丘陵地帯もあり、これが横浜? と思えるようなところまでありますが、訪れたのは正真正銘の港町ヨコハマ。横浜はまだ神奈川といっていた1859(安政6)年函館(当時は箱館)・長崎とともに開港したところで、今年は開港150年、記念行事も催されています。

横浜開港資料館
 歴史的建造物に詳しい友人と一緒に、ちょうど特別展をしていた横浜開港資料館(旧英国領事館)に行ってみました。以前見た常設展はさらっと流し、特別展を中心に観ましたが、小さいながら展示は充実しており、博物館の良し悪しは規模の大小ではない、(さらにいえば、展示よりもその活動で決まる)と痛感させられました。各種の資料には無料で配布されているものもあり、しかもとても有用なものでした。
 受付はこぢんまりしていますが、図録や図書類がよく揃っており、どれもこれも欲しくなってしまうような資料です(内容からみれば妥当だが、ちょっと高価なのが難点)。記念品の類もセンスがよく、さすがはヨコハマと感心しました。
 展示資料も写真や地図など明治初期からあり、関東大震災と横浜大空襲で一面焼け野原になってしまったのに、これだけの資料が残されているのは意外でした。もちろん、大都市でしたから、絵葉書などはその初期からかなりたくさん発行されたはずで、地方から訪れた人たちが土産物として持ち帰り、横浜以外の地で保存されていたものも多かったとは思います。
 地下には閲覧室があり、横浜関係の図書や地図が見られます。あまり広くはありませんが、開架図書に横浜関係の図書が並んでいます。一番驚いたのは、横浜関係の新聞が明治初期から揃っていることで、しかも、自由に閲覧できることでした(もちろん、原紙ではなくコピー)。つくづく横浜の友人がうらやましく思えたことでした。

横浜の歴史的建造物
 横浜中心部は震災と戦災で木造家屋は全滅したため、歴史的建造物はコンクリート造の建物がほとんどですが、港周辺には比較的多く残っています。それぞれキング・クイーン・ジャックと呼ばれる、神奈川県庁・横浜税関・横浜市開港記念会館が代表的ですが、ほかにも横浜正金銀行本店(現・神奈川県立歴史博物館)などが散在しています。そこここに古い建物もありますが、街が広いこともあり、小樽に比べて、密度が小さいことは否めません。
 それでも、戦前からのビルを大切に改修しながら使っているところもあり、友人の事務所は外国船員の長期滞在型アパートだった昭和初期のビルでした。外観は一見何の変哲もない古めのオフィスビルですが、窓枠がアルミサッシになっているだけで、内部も建築当時の昭和モダンを感じさせる意匠が残り、昔の写真を掛けたり、内部の復原工事をしたりと、現オーナーの建物に対する愛着が感じられました。

小樽との違い
 小樽との経済的格差は歴然で、これは、開港以来ずっと(震災や戦禍はあったものの)伸び続けてきた大都市と、斜陽といわれて久しい地方都市の差でしょう。人口にしても、横浜市は367万人で、小樽市の27倍、札幌市と比べても1.9倍です。当然行政や財政規模も桁違いです。
 観光地としてみても、今年は開港150周年で特に観光客が多いそうですが、特に印象的だったのは、観光地観光地していないところで、呼び込みなどいないのはもちろん、スピーカーから騒音を垂れ流すということもありません。広い歩道には大きな街路樹が多く、日陰を提供しているなど、全体的にスマートな都会的センスが感じられ、落ち着いた大人の街といった雰囲気です。著名観光地である中華街や元町は違うのでしょうが。
 開港資料館前に近年整備された公園は、行政当局がすべての建物を撤去して公園化する計画だったそうですが、立ち退きに応じない家屋もあって片隅に一部が残ったままです。しかし、それらが店として繁盛し、また、かえって景観的にもよかった(趣のある建物だから)というのは、こういうことは横浜でもあるのだとちょっと考えさせられました。
 小樽でも浅草通りや手宮線散策路などは、こうした自然な雰囲気が生まれないでしょうか。暑い横浜でさえ、オープンカフェをしているのだから、小樽でやればなおさら気持ちいいのではと思います。
 これまでも提案されきたことですが、潮まつりのときに手宮線散策路を露店として活用していたように、楽しい空間になる可能性は充分秘めていると思うのですが。