小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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小樽巷文化考

温暖化とエコブーム


 最近、地球温暖化防止が声高に叫ばれ、「エコ」や「省エネ」がブームとなっています。北海道でも流氷が少なくなったり、湖の結氷時期が遅れたりと温暖化が原因ではないかといわれることが目立ってきました。
 たしかに20年前と比べても暖かくなっていることは否定できません。ここ100年ほどの統計上でもはっきり現れています。
 かつては札幌でも氷点下10度を下回る日がしばしばあったし、筆者も猛吹雪で見通しが全くきかず、方向感覚がなくなって、軒下を借りて、しばし立往生した経験もあります。郊外から通っている人たちが、交通障害のために帰宅できなくなるといったことも近年では聞きません。鉄道はおろか、バスまでも運休となってしまい、やむを得ず市内のホテルに泊まるということがありました。もっとも札幌の場合は都市化によることも大きいでしょう。

 小樽でも、1996(平成8)年1月に一晩で84pもの積雪が記録されたことがあり、大変なところに越してきてしまったと思ったものです。降雪量が増えるのは温暖化のためともいわれ、その面からはあまりよいこととはいえないものの、雪は貴重な水資源でもあります。
 2008(平成20)年の帯広の降水量はその少なさで新記録だったそうですが、それでも、帯広が水不足になったという話は聞きません。いつも水不足の心配をしている四国などと比べて何と恵まれていることか。小樽でもあまり大きな川がないのにもかかわらず水不足という話はありません。明治時代からの奥沢水源地が活躍している上に、現在の人口には過剰とさえいわれる朝里ダム(小樽内湖)のおかげでもあります。

 温暖化の原因とされる二酸化炭素排出を抑制するために、夏季の冷房などはかなり抑えられているように感じます。以前は東京の電車の冷房は、通勤時間帯の超混雑を想定しているため、昼間は寒いという苦情が来るほどでしたが、現在では、コンピューター制御のおかげもあって、混雑具合に応じて程よく調整されています。
 これに対して暖房はどうでしょうか。以前、デパートなどで店員の服装に合わせて設定温度を決めているのはおかしいということが新聞に載っていました。たしかに外から来る客にとっては、暑いとさえ感じる店内で、コートなどを脱いで手に持って買い物をするのはやっかいですが、かといって、外と大して変わらない温度では寒くて買い物どころではないし、暖かさはサービスの一種でもあるのでしょう。
 はじめて札幌の友人のうちを尋ねたときに、真冬だったにもかかわらず、Tシャツで出てきたのに驚いた経験があります。これは集合住宅で温度調節が各戸でできなかった事情を後で知りましたが、その衝撃は今でも忘れられません。
 北陸地方などでは昭和40年代までは、部屋そのものを暖める考えはなく、コタツが唯一の暖房で、室内にポータブルストーブが出てきてようやく個別の室内の暖房ができるようになったそうです。それまでは、コタツに入っている下半身だけが暖かく、上半身は着ぶくれで対処していました(だから、食事などで必要なとき以外、手は出さない)。

 エコポイントをつけて買い換えを勧めるのはよいことなのでしょうが、国がまだまだ使えるものを捨てて、無駄遣いを奨励しているようにも思えます。とくに税金で補助してまで、クルマを買い換えろというのは(自家用車を止めて公共交通機関を利用しろとは決していわない)、もともとクルマとあまり縁のない生活をしている人にとっては違和感があるのではと思います。実際、新製品を買う費用・つくる過程で出される二酸化炭素排出量と使えるものを捨ててその処理にかかる費用・二酸化炭素排出量との合計は、古い製品を使い続ける費用・二酸化炭素排出量より少ないのでしょうか。

 テレビコマーシャルなどでやたらと「エコ」だ「省エネ」だといわれると(とくに根源的な生活に不必要な娯楽用品=テレビなど、贅沢品=家庭用クーラー・都会での自家用車など)、ひねくれ者(自分のことです)などはかえって反発してしまいますが、もはや一過性のブームで終わらせる時代ではなくなったようです。