小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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編集後記


「乾 杯」
 雪が深々と降っています。
 小樽にゆかりのある小熊秀雄の詩「乾杯」の中に、「洗濯シャボンも使わぬのに自然はいつもあんなにきれいだ」とか「自然の子としての人間の力」という一節があります。
 人間は飾ったり工夫したりする魅力と、自然の子としての魅力の二通りあるということをさりげなく描いています。
 どうやら人間社会の歯車がかみ合わなくなればなるほど、私たち人間は前者のみに偏り、後者を忘れがちです。
 深々と降り積もる雪景色を見て、「きれいだ」「幻想的だ」「寂しい」「悲しい」と感じるのは人間の勝手で、雪本人はそんなことより、自然の摂理によって「唯降る」以外のなにものでもなく、自然が存在する限り永遠につきまとう「人間は自然の子」を諭される気がします。人間同士の土壌のほかに、自然同志の土壌を想起させてくれるのです。
 多分小熊はこの「唯」というものを指して、以下で締めくくっています。「ある共同的なるもののために 今日は乾杯しよう」


歴史文化研究所
副代表理事・編集人 石井 伸和