小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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コラム

緯済


経済が身近に
 「会社の経済は?」とは聞かず「会社の経営は?」と聞くように、経営は一企業を富ますため、経済とは地域、国家、世界という複合の単位を富ますための概念です。これまで経済は国が管理するものという認識がありましたが、これからは経営と経済、つまり自分の会社と自分の地域は、より密接な比例関係を持つようになっています。経済がグローバル化し、分業の前提が崩れ、これまでの国の経済構造が根本的に変わりつつあり、地域から仕切り直さなければならなくなっているからです。
 そうすると、地方の企業は自分の経営を考えると同じくらい地域の経済を考えなければ、両方だめになるという深い関係になってきます。

右肩上がり
 経済指標には前年度比という項目が大方ついてまわります。これがプラスであれば経済成長といわれます。ところが1990年前後をピークに、既存のほとんどの業界は減速し、現在ではプラスの企業を探すのが大変なまでになっています。
 もう右肩上がりや経済成長が常識でない時代なのだと割り切って考えてみた方がいいようです。

もう一つの経済「緯済」
 地球には経度と緯度があります。経度とはイギリスのロンドンにあるグリニッジ天文台がある地点を南北の縦に結んだ子午線の位置から東経・西経を計り、緯度とは東西の赤道の横線を起点にして、たとえば北極・南極は90度という計り方をします。
 ここから経度は縦線、緯度は横線と考えると、「経済」に対して「緯済」という概念を仮設してみます。つまり常に縦に上がるのを経済、横につながって維持するのを緯済と考えてみます。
 環境用語にサスティナブル(持続可能)というキーワードがあるように、維持するということは、サスティナブル企業であることを意味します。大儲けせずとも持続可能で、これを維持していく努力の中で、少しずつ縦に伸びるという概念です。

経営者
 企業の経営者が自社経営と同じくらい地域経済も考えなければならない立場です。自社が持続可能になれば、地域経済を経営者がこぞって考える余裕も出てきます。逆に自社に余裕がないからこそ地域経済を考えるともいえます。
 いずれにせよ地域経済はもう自社経営の領域に入り込んでいます。

需要
 緯済は、もちろん成長を望まないということではありません。成長を望むけれど、無理して成長(中央市場)を前提とせず、今まで振り向かなかった横のつながり(地域市場)を以て持続させるのです。
 地域経済を持続させるには、地域内の経済交流を活性化させねばなりません。ということは答えは一つで、地域の産物を地域で消費する地産地消運動となります。また、地域資源活用型ビジネスを蓄積する方向が重要になります。
 ところが理屈はわかっても私たちの需要はマス媒体を通じてかりたてられています。ましてや小樽で冷蔵庫やテレビやiPadをつくってはいません。しかし小樽でつくっているものをできるだけ買うようにしなければなりません。
 最近環境のことをしっかり管理している会社の商品を購買しようという意識が根付きだしているように、地域経済のことをしっかり管理している会社の商品も同じレベルで考えれば可能性はあります。

緯済政策
 経済政策を立案する材料は経済指標です。しかし国家経済の指標はふんだんにありますが、地域経済指標というのをあまり目にしたことがありません。これは行政や金融機関が協力すれば抽出できます。
 次に産業構造や産業連関も地域によって異なるので、地域の各業界組合がまとまれば抽出できます。
 この段階で学者が登場して、世界経済や国家経済とのかねあいを考えて、小樽に相応しい経済ビジョンを抽出します。このビジョンを実現するために各界代表が経済政策を講じ、体制固めをしていくのです。

地域間交流
 こういう地域同士が交流すると、洗練されつつある地域ビジネスは共に新たな交換価値を生み、足し算効果が出ます。これが地域間交流です。日本全国でこの地域間交流がスクランブルする中から、全国ブランドやグローバルブランドも誕生し掛け算効果になります。
 経済的自立は地域主権時代の根幹です。民主党政権は地域色には強いが経済にうとく、自民党は経済色には強いが地域にはうといので、いまのところあてにはなりません。
 しかし全国の地域の中でも小樽は、こういう民間パワーを発揮できる最も近似値にあるといえます。