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地域経済(12) 経済を読む

韓国の熱気
小樽商科大学
ビジネス創造センター 
  センター長・教授 海老名 誠



 9月1日から5日間、約2年ぶりに韓国を訪れました。今回は日中韓3か国の大学シンポジウムがあり、私は「急激に成長する東南アジアと小樽のビジネス戦略」と題してお話して来ました。出発の新千歳空港では沢山の小樽の仲間たちにも会いました。上海で万博が開かれており、9月2日から「北海道デー」が予定されていたのです。いよいよ北海道も国際的になって来たなと、ちょっぴり感激して飛行機に乗り込みました。
 新千歳からソウルまでの飛行時間は2時間半です。しかし、ソウルの空港からシンポジウムの会場がある太田という市まで、バスで更に2時間半かかりました。飛行機は直行便で楽になりましたが、内陸交通は時間がかかりました。その点、小樽は皆が考えるよりずっと便利です。新千歳空港からJR快速エアポートで1時間強なのですから。

韓国の追い上げ
 韓国はこれまで良くも悪くも日本の後を追って来ました。「日本に追いつけ、日本を超えろ」と大変な努力をして経済を成長させて来ました。もちろん韓国はアジアの中で日本に次ぐ経済大国なので、中国など発展途上国の様な高成長は見込めません。
 2009年の経済成長率は0・2%でした。しかし、今年の成長率見通しは4.5%と、中国(10.0%)には及びませんが、日本(1.9%)に比べはるかに高い予想値になっています(JETRO)。
 以前にもお伝えしたIMD(スイスのビジネススクール)の国際競争力比較2010によれば、今年の国際競争力は韓国が23位、日本が27位となっています。昨年は韓国が27位、日本が17位でしたから、この1年間に順位は大きく逆転したことになります。何がこの様な差となって現れるのでしょうか。それは韓国の人々の競争心が日本とは大きく違うということだと思います。

韓国の財閥解体・再整理
 韓国は1997年のアジア経済危機の後、IMFの経済復興指導を受け入れ、経済を立て直して来ました。例えば「財閥解体、再整理」などが例として挙げられます。アジア経済危機の直後、IMFは韓国に対して産業分野毎に重複・乱立する企業の整理を要求しました。
 例えば、韓国ではそれまで自動車産業や電子産業でも各財閥毎に製造メーカーを抱えていましたが、それを一業種の主要メーカーは全国で2・3社に絞る様指導したのです。この様な指導の下、韓国ではそれまでライバルであったメーカーの技術者が、新しく同じ職場で働く例が多く見られました。
 一方、日本の場合はアジア経済危機で国家を揺るがす程の痛手を受けなかったので、多くの産業分野で多くの製造メーカーが存立しています。これが、今や韓国では合理化効果が出て競争力が付き、日本では多くの国内メーカーの消耗戦が生じ競争力が落ちて来た一因となっています。日本は国際競争力を再び高めるためには、思い切った産業別再編成が必要かも知れません。

熾烈な競争社会
 当然、韓国の国内での競争も熾烈を極めています。大学の学生も、社会人も忙しく動き回っています。人々の目つきも鋭く見えます。激しい競争社会の最前線では、寝る間も惜しんで努力をする人々が沢山います。今回のシンポジウムで韓国の教授が恐ろしいことを言っていました。韓国の研究者は、例えば日本で電子製品が発表されると、直ぐ秋葉原に飛び100台単位で購入してくるそうです。そうして製品を丁寧に解体し、徹底的に分析して日本の技術を学ぶのだそうです。
 ですから、知的財産権とか特許権とかの問題はありそうですが、直ぐに日本製品に匹敵するレベルの製品が比較的安い価格で売り出せるのだそうです。韓国ではここまでして日本を追い越そうとしているのです。こんな熱気の国に、今の日本人が勝てる訳がないと感じました。
 今回は5日間の旅でしたが、長期間にわたる出張などでは相当疲れるのではないか、と感じました。