小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
bg_top
alwHOMEalw読んでみるalw小樽の意匠(7) 旧作左部(さくさべ)商店蔵 渦若葉

小樽の意匠(7) 旧作左部(さくさべ)商店蔵 渦若葉


旧作左部商店
旧作左部商店

鏝絵
 鏝(こて)とは、「左官用鏝は壁土、漆喰・セメント、セッコウなどを塗りつけたりその表面をなめらかに仕上げるのに用いる」<平凡社 世界大百科事典300P>とあり、鏝絵とは土蔵の妻(屋根側の三角形の部分)に掲げられる凹凸のある造形をいいます。
 「よく使われる図柄には、水に纏わる「龍」、出世を願う「登り鯉」、子孫繁栄と水に関係する 「波兎」、吉兆で鼠を食べる「鷹」、長寿を願う「高砂」があり、絵というよりは彫刻(彫塑であるが)の形で白壁に取り付けられます。」
<http://www.nnn.co.jp/tokusyu/namako/100315.html>

旧作左部商店の鏝絵
旧作左部商店の鏝絵
渦若葉
 旧作左部商店蔵の鏝絵は「渦若葉」とされていますが、それは「若葉の端が巻きたる形をなせる模様」<日本建築語彙>で、国籍は不明ですが伝統模様の一つと思われます。「渦若葉」それ自体に意味はなく、一般的な社寺模様の一種で、「若葉くずし」などとも言い、若葉の模様を使い彫刻の空間を埋めていくデザインの一手法です。これが妻の両側に配され、真ん中に「ヤマシメ」という印がつけられているのは、印を引き立てるためのデザインと考えるのが妥当でしょう。
<社寺建設 林建設梶@代表取締役 建築修復学会会員 林 徹生>

未踏の楽しい世界
 鏝絵のように「何かをアピールする造作」としてシャチホコ、うだつ、鬼瓦、鬼板、あるいは小樽の木骨石造倉庫の妻に掲げられている印もその一つです。本来の建物の持つ本質的な機能には全く関係のない「権威・シンボル・おまじない」などを表すこれらの事例を収集し、調べる領域はまだまだ未踏の分野です。そこから建て主の意図がにおい、当時の勢いを感じる楽しい世界でもあります。