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観光学(23) 観光を読む

冬の楽しさの再発見
北海道大学 観光学高等研究センター
センター長・教授 石森 秀三


日本スキー100周年
 今年は日本にスキーが伝えられてから100周年になる。オーストリア=ハンガリー帝国のテオドール・フォン・レルヒ少佐は、1911年1月12日に新潟県高田(現・上越市)で第十三師団の軍人たちに日本で初めてスキーを教えたといわれている。2009年にはスノースポーツの魅力をより多くの人々に伝えていくために「日本スキー発祥100周年委員会」が設立されている。
 日本ではバブル景気(1986年〜91年)の頃に最もスキーが人気を博していたといわれている。とくに1987年に上映された原田知世主演の映画「私をスキーに連れて行って」がスキーブームの火付け役になった。まさにバブル景気華やかなりし頃のことだ。ところがバブル経済の破綻に伴って、その後はスキーが下火になり、低迷が続いている。
 スキーが下火になった理由として、レジャーの多様化、スキー人口の高齢化、費用の高額化などが指摘されている。そのためにかつてのスキーブームの担い手であった現在のアラフォー世代をターゲットにしてスキー人気の復活が試みられている。
 例えばアラフォー世代が親子連れでスキーを楽しめるような工夫がさまざまに図られている。具体的にはアラフォー夫婦がスキーを堪能できるように、子どもたちを預かって安全な室内スキー場でスキー教室を開いたりしている。

スポーツとアート
 今年1月に札幌で「2011ふゆトピア・フェア in 札幌」が開催された。日本は世界でも有数の多雪国で、雪や寒さが暮らしに大きな影響を与えている。全国から関係者が参加して、シンポジウムや展示会が行われた。
 私はシンポジウムに参加し、「冬の魅力が地域を灯す、世界を照らす:冬の楽しさ再・新発見」と題するセッションのコーディネーターを務めた。要するにスポーツとアートを通して「冬の楽しさ」を再・新発見することについて討論がなされた。そのさいのパネリストの意見は次の通りだった。
 森脇俊文氏(北海道スノースポーツミーティング実行委員会委員長)はプロスキーヤーによる子どもたちに対する「スーパースキー学習」をすでに実施しており、子どもたちに対する「雪育」の大切さを提唱した。小田井真美氏(Sapporo2プロジェクト・プロデューサー)はアーティスト・イン・レジデンス事業を運営するとともに、除雪を活用した冬の芸術づくりや「アーティスト・イン・スクール」事業を推進している。また谷川良一氏(NPO法人グランドワーク西神楽理事)は「ウィンターサーカス」と呼ばれる雪を活用したランドアート事業をサポートしている。真っ白な雪景色に現れる「雪のランドアート」はいつも見慣れた風景を特別な空間へと変化させている。
 いうまでもなく、雪は「死産」ではなく、地域を輝かす「資産」であり、民産官学の協働によって多角的に利活用を図り、冬の楽しさを創りだすべきである。