仲間の黄金比
今から37年前に、ある経済団体に加入し、加入2年後に青年部を立ち上げた。その創設メンバー8名のうち6名が先日集い飲んだ。他2名は病気のため欠席。この宴席で昔話に花が咲き誰もが腹を抱えて大笑いした。この8名は当時20代と30代、今50代後半と60代という長いつきあいだ。その間いろいろなことに遭遇した。8名8社のうち5社が倒産、2名が重病、バツ1バツ4もいる。頭も禿げ耳も遠くなった者もいる。8名全員の年齢も業種も異なるが、互いに協力しあってきたし、共に何度も旅行に出掛けハメをはずし武勇伝をつくってきた。大笑いのネタは外へ出掛けた旅行だ。たぶん立場を超えた旅行がなければ、金の切れ目で37年間は紡がれてはいなかっただろう。幾何学に奇跡的な組み合わせを意味する黄金比というものがあるなら、この旧友関係も人間関係の黄金比といえる。
そもそも男が社会と関わってナンボのもんなら、いまグローバル化する時代に、激変の世界土壌に立って何かを共感する必要がある。何があっても何年経っても大笑いできる関係は、社会との関わりという人間本能の喜びだ。
歴史文化研究所
副代表理事・編集人 石井 伸和