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地産(7) 後志でなにが生産されているの

アワビ
寿都町漁業協同組合 専務理事 木村 親志 氏


寿都町漁業協同組合 専務理事 木村 親志 氏
寿都町漁業協同組合 専務理事 木村 親志 氏

寿都町の水産業
 寿都町は町史によると、1669年に和人が集落を形成し住みついたことが町の始まりといわれている。その背景には後志沿岸部の町や村と同様、鰊漁が大きく影響している。
 昭和になり、鰊漁の終息とともに沖合漁業の水揚げが大きくなっていったが、200海里問題以降は沿岸漁業に転換し、栽培漁業にも力を入れるようになった。
 平成22年度の寿都町漁業協同組合(以下、漁協)の水揚げ金額の上位は、1位ホッケ、2位ナマコ、3位イカ、コウナゴの順となっている。ナマコは現在、中国向けの需要が多く高値で取引されている。寿都町でのホッケの漁獲量は7,200tと北海道全体の漁獲量約11万4,000t(21年度水産現勢)からすると決して大きな数字ではない。しかし寿都町のホッケ漁は他地域の沖合い底引き漁とは異なり沿岸での漁で、その沿岸漁獲量としては道内1位の数字となっている。寿都町のホッケが有名なのはこのことによる。

協業体によるアワビ漁
 平成13年、漁協は新たな漁業の仕組みづくりに取り組んだ。それは40名の個人漁業者を協業化したこと。「歌棄地区アワビ漁業協業体」という名称でアワビ漁に特化して始まった取り組みだが、それまでは漁業者個人がそれぞれアワビ漁を行っていたが、その漁業者を集めて一つの協業体を組織し、漁業者は漁を行わず代わりにダイバーを雇い採るという仕組みだ。協業体が水揚げしたアワビは漁協に買い取ってもらい、売上げの中からダイバーなどの経費を払い、残りを漁業者が配当金として受け取る。新たなビジネスモデルといえる。
 この取り組みのメリットは乱獲を防止し資源を守ること。つまり規格外の大きさのアワビは採らずに、消費者が要求するサイズを安定供給できること。また禁漁期間中も安定供給できるよう、事前のストックも可能となった。デメリットとしては協業化による新たな経費が発生し、多少割高となっている。このため流通は漁協から卸業者を通さず、漁協の直売所から直接本州のホテル、レストランなどに販売されている。
 また平成19年より「歌棄地区ナマコ資源対策協議会」も発足し、アワビと同様の取り組みがナマコ漁でも始まった。ナマコ漁はそれまで海底をケタで引きずり、根こそぎさらう漁だったが、同じくダイバーによる漁に切り替えたことで海底を荒らすことがなくなった。これらの取り組みは、実はホッケの漁場を保全することにも大きく貢献している。海底を守ることで藻や海草が茂り、ホッケの産卵場所のみならず、ウニ、アワビ、ナマコなどの増殖を促している。

協業体の評価
 アワビ漁の協業化は、北海道らしい特色ある水産物を生産しているということで、北海道から水産業分野で「北海道らしい食づくり名人」に登録された。協業化により計画的な生産・流通・資源の適正利用・密漁監視など広範囲な活動がスムーズに行われるようになった。

森を育てる、海を育てる
 漁協は今、将来を見据え、大切な資源を守り育てるため2つの取り組みを始めている。ひとつは森の恵みである養分が朱太川から寿都湾に流れ込み名産の「寿かき」を育てていることもあり、この森からの養分の供給を絶やさないために、漁業者自ら植樹活動していること。もうひとつは「磯焼け対策事業」。近隣町村の漁場共通の悩みである、海草が育たなくなる「磯焼け」。これを解消するため施肥事業をスタートさせた。魚の不要物を木のチップと混ぜ発酵させ、それを硬化剤で固めた肥料を作り、磯焼けした海底に施肥するものだ。昨年春に試験、好結果を得たことで事業を本格化させる。これにより、さらにアワビ、ウニ、ナマコ、そしてホッケなどが寄り付く漁場になるという。
 このように漁協は寿都の基幹産業である水産業を次世代につなげる活動を積極的に行っている。さらに「食育活動」の一環として漁業体験を毎年実施しているが、その詳しい内容は第27号で紹介。フットワークのよい寿都町漁業協同組合に注目。

寿都町漁業協同組合
〒048-0404 北海道寿都郡寿都町字大磯町20番地先
TEL(0136)62-2555 FAX(0136)62-3603
http://www.jf-suttu.com/
E-mail:info@jf-suttu.com

※寿都町のアワビは寿都町漁業協同組合横の直売所または上記 ホームページで購入することができます。
※直売所の営業時期や定休日等は事前にご確認ください。