小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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COLUMN

小樽学会
編集人 石井 伸和


小樽観光大学校
 平成18年に小樽観光大学校が設置され、過去8回の検定試験において500人以上が有資格者「おたる案内人」となっている。ということは合格率からして700人以上がこれまで受講もしくは受験したことになる。
 そのカリキュラムは80%が小樽の歴史である。なぜなら、小樽観光の光源は、豊かな歴史的環境を現在に活かしているという考え方に立ち、歴史的背景を体系的に学ぶことに主眼をおいているからだ。
「あの建物はそうだったのか」「運河ってそういうことだったのか」「あの人はそんなすごいことをしたのか」などの驚きに満ちている。

小樽への興味
 小樽市の人口が今日より5万人以上も多く、ゆうに18万人はいた35年前、こんな学びのシステムがあったとしても、果たしてこれだけの人々が振り向いただろうか。誰もが高度経済成長に乗り遅れた小樽を脱し、札幌や東京に憧れていたことを思えば、答えはノーだろう。
 とすれば30%ほども人口が減ったにもかかわらず、絶対数として小樽に興味を持たれる人々が35年前より多いということは、率からして桁はずれに多いことを示している。

興味と研究
 かつてもいまも、郷土史家が小樽にはおられるが、小樽に興味を持つ人々はみな、その起点にいることになる。興味を持って学ぶと、人それぞれに感動のありかが異なる。それぞれの感動から、「調べてみる」行動に移り、「もしかしたらこういうことだったのでは」とひらめき調査対象が身近になり、独自の調査から研究の領域に入る。そうするとまだ誰も知らない事実を探り当てる喜びはこの上ない。
 これらの集積は地域の知的財産だ。まして「地域」についての研究領域は無尽蔵にある。郷土史家以外、誰も手をつけてこなかったからだ。

提案「小樽学会」
 小樽学会なるものをつくってはと考えている。小樽に関する研究を個人が自由な対象を設定して行う。対象は歴史はもとより、自然や地層でもよく、無論、俗な現象でも全く構わない。研究成果に辿り着くまでには、様々な書物や事実や統計などが必要で、この出典を明確にし、いかなる方法で成果を出したかの理論武装をして、研究成果に導き出せばいい。
 たとえば年に1回、学会を開いて、成果発表をする。成果は本誌も請け負うし、独自のホームページで掲載する手もある。この成果が小樽の知的財産になる。

知的財産
 知的財産は小樽の基幹産業である観光の付加価値を確実に上げる。なぜなら成果には科学的証明が伴うから、確かな情報を伝えられるし、納得も容易だ。また研究成果から新たなビジネスモデルが生まれる可能性も充分ある。なぜならそんなに珍しいならつくろうかという契機にもなる。
 何よりも大事なことは、個人が地域に密接にかかわり、かつ地域を支援するというライフワークが形成されるということだ。
 さらに成果は新たな成果をも生む。いっぽう批判も生まれるが、これが切磋琢磨となればそれでいい。

研究費
 研究にはお金がかかる。この場合、事務局を設置し、その成果を活用できる機関と予め交渉し、資金援助と約束事を取り決める。あるいは研究者自らが協賛を仰ぐ道もあろう。

成果
 理系的学問の場合、ある一定の仮設を前提に研究をするから、答えは一つで、この普遍的なスケールの大きさがいい。いっぽう文系的学問の場合、研究者の数だけ答えが導き出され、このバリエーションもまたいい。
 これらの学説を、研究者の苗字をとって○○学説とされ、歴史に名が刻まれる。

日本地域学会
 昭和37年に日本地域学会が設立され、筑波大学に事務局をおき、国際的なリンクも築いている、いわゆる学術界のオフィシャルな権威もあるが、ここではそこまでの背伸びを強いない。
 むしろ市井の市民のかすかな努力を蓄積することが大事だと思う。