小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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地産(11) 後志でなにが生産されているの

牛乳・バター
山中ミルクプラント
工場長 山中宣太郎 氏



乳用牛の飼育を目指したが
 昭和45年、大学で酪農を学んだ父、山中純孝氏が現在地に飼育牧場を開拓し山中牧場はスタートした。小樽出身だったこともあり、小樽に比較的近い赤井川村を牧場地に選んだ。当初はホルスタイン2〜3頭から始め、牛を増やしながら大量生産体系の一端を担う一般的な牧場を経営していた。
 ところが、この牛乳の流通システムには行政からの色々な規制があり、将来の経営に疑問を抱くようになった。
 数年後、思い切って生産から販売までの完全自家生産体制を導入した。自分で生産した牛乳を自分で価格をつけ販売できる体制は魅力的だった。しかし当時はまだ、このような経営形態の前例も少なく、すべてにおいて試行錯誤の連続だった。
当初は経営面においても苦戦したが、こだわりと情熱を地道に伝え続けた結果、近年ではたくさんのお客様に指示される牛乳となった。

牛の数は手厚く管理できる範囲で
 山中牧場の乳牛は現在直営で約30頭(委託生産で他に約100頭)。工場の生産能力と直営の牛を管理する人員を考慮すると、この位の頭数が適正となる。自家生産を掲げるからには乳量を増やすよりも味や品質の維持管理が生命線となる。そのためには牛の健康管理が最大の仕事。健康管理を徹底させるためには、安易に頭数は増やさない。毎日、牛の健康状態をみながらの搾乳、また、その乳量により飼料も配合を工夫したりと、手間がかかる。季節や牛の体調で乳量にばらつきがあるが、1頭当たり毎日20〜40sの乳を出すという。搾乳が終わると、午前中は工場での製品づくりとなる。

品質管理と製品
 山中牧場の牛乳の大きな特長で、大手乳業メーカーと差別化していることは製造工程での殺菌方法。大手メーカーは120℃で2秒間の殺菌に対し、75℃で15分という低温殺菌にこだわっている。高温殺菌はすべての菌をなくすことで賞味期限が伸びるが、その分味にも影響が出るという。低温殺菌は悪い菌を取り除き、良い菌はそのままにしておくため、菌は残るが味は損なわれない。しかし、賞味期限は大手の牛乳に比べ短くなるという。
 大手メーカーと比較するとこの工程だけで、単純計算すると450倍の時間をかけて製造していることになる。こだわった飼料や環境を整え、おいしい乳を搾っても味に特長が出なくなる牛乳を生産するのでは意味はない。この工程があってこそ支持される味となる。

製品の開発
 山中牧場といえば「ソフトクリーム」という方も多いはず。牧場直営のおいしいソフトクリームということで、かつて大ヒットした時期があり、その後様々な店が出始め、お客様が分散し、販売個数は減ってきているが、それでも今も根強い人気商品だ。小樽では駅前通りの旧手宮線の下に売店があり、販売している。全国的に飲用の牛乳の消費が減る中、ソフトクリーム販売は今も売上げに貢献している。
 もう一つはバター。新たな製品を開発する時にチーズも視野にあったが、すでに手作りチーズ工房が北海道にはかなりあったこともあり、もっと差別化できる製品ということでバターになった。
 幸運だったことは、大手乳業メーカーでバター作りを担当していた職人さんと出会うことができたことだった。昔ながらの手間をかけた工程で製造する技術は、今ではこの職人さん位しかいないのではないかという。その手間から生まれたバターはこくがあり、深い味わいとなった。量販品よりは価格は割高だが、確実にリピーターは増えている。開発前、工場長は理想の味を求めるために全国のバターを食べ比べし、一時は家庭用冷蔵庫の中がバターだらけになり、家族もあきれたという笑い話もあるそうだ。

おいしさを伝える
 安心、安全がキーワードの現在。工場と農場の衛生管理には万全の体制をとっている。近年外部からの病原菌の進入や飼料の問題などが取り沙汰され、気を使うことが多い。手間をかける製法は余計にチェックする時間や項目が多くなるが、しかし、これが山中牧場の生命線。この作業なくしておいしい牛乳やバターは生まれない。一口に「おいしさを伝える」とはいうが簡単なことではない。地道なお客様の顔が見える活動でこだわりを伝えるしかないという。
 世の中は健康ブーム。様々な健康食品やサプリメントが氾濫しているが、牛乳は昔から栄養バランスのとれた健康食品。今一度、その良さを見直す時代になってきた。

山中ミルクプラント(且R中牧場)
〒046-0561 北海道余市郡赤井川村字落合478番地1
TEL(0135)34-6711 FAX(0135)34-6551
http://www9.ocn.ne.jp/~yamafarm/
E-mail:bokujiyou@carrot.ocn.ne.jp