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地域資源活用ビジネス(28) 小樽独自のビジネスモデル

有限会社 ヒロフーズ
代表取締役 中達 博文 氏

〒047-0024 小樽市花園1-4-17
TEL&FAX 0134-27-7856
hirofoods@bz03.plala.or.jp


中達 博文 氏 
中達 博文 氏 


2つの資源活用
 板谷宮吉という名は小樽ではトップクラスの豪商で、海運業界でも板谷商船株式会社として伝説的な人物である。初代・二代を通して海運をはじめ銀行・鉱山・農場経営、そして三代目は鰍サごうの役員、札幌そごうの社長でもあった。しかし2011年末に廃業を決意し、創業以来118年の営業を終えた。
 この板谷商船の食品部門に在籍していたのが中達氏である。中達氏はいう。「板谷の長年に亘る信用があったから、私が独立しても仕入れ先や卸し先への信用が継続でき、今日のヒロフーズの礎になってくれたのだと感謝しています」
 つまり歴史が信用という資源になった。
 そしてヒロフーズのビジネスモデルは、北海道の物産を全国約60件の商店に卸すことから、充分地域資源活用型ということができる。

経緯
 中達氏は1974(昭和49)年に板谷食品株式会社に入社し営業に従事。札幌そごうの社長であった三代目板谷宮吉氏が、株式会社そごうの北海道仕入部として設立したのが板谷食品である。主な事業内容は、そごうグループ国内40店舗、海外10店舗に北海道物産をはじめ道産品を卸すことだが、その仕入れ先・おろし先確保の任務に就いていたのが中達氏である。
 平成12年7月に、そごうの破綻により、札幌そごう店も閉鎖。中達氏は平成13年5月有限会社ヒロフーズ設立。平成14年3月に板谷食品株が解散となり、その事業における、仕入・卸ルートや札幌エスタでの塩干物売り場をヒロフーズが引き継いだ。

業務内容
 売り上げの8割が全国60店への北海道物産の卸し、2割が札幌エスタ店での直売である。
 北海道物産の代表格は函館のトラピスト修道院のクッキー、よつ葉乳業の乳製品、王子サーモンの塩干物、斜里の野尻商店の鮭や魚卵、小樽の三浦水産のたらこ、函館の五島軒のレトルトカレー、京極の名水珈琲など。

展望
 「今後は小樽をはじめとした後志の物産をおおいに売り込んでいきたいと考えています。すでに小樽というネームバリューは観光にはじまり、小樽の物産にも追い風が吹きだしています。それが板谷の歴史と信用に報いる私たちの使命だと確信しています」

血の通った看板
 俗に「看板あっての物種」という。看板がとれればタダの人というほど、会社の看板は信用のシンボルとなっている。であれば中達氏は板谷やそごうの看板を捨てなければならなかった立場だから、その段階でタダの人になるのが普通だ。しかし見事に引き継いだ。それは看板の歴史や大きさより、中達氏の誠意によるところが大きい。大きな看板の片隅の現場で、確実にそれは実っていた証だ。
 巨万の富を築いた多くの小樽商人がいた。荒削りな商人気質、鰊を扱う漁師気質だから無に帰したとかたづけるには途方もない額だろう。それらの財がなんらかの社会資本になっていればと願うが、実に少ないのも事実だ。そういう脈絡のか細い地域の中で、中達氏らの努力はキラ星のように輝いている。