小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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比較論(20)

熊本と小樽


熊本城
熊本城

阿蘇山の火口
阿蘇山の火口

名物
 熊本は一元の客でしか経験がなく、多くは語れないが、ここでは食の名物について考えてみる。熊本城下のホテルに宿泊した際に、飲食店へ行った。そこで仕入れた熊本名物の情報は、「球磨焼酎」「辛子蓮根」「太平燕」だという。

球磨焼酎
 その店ではとりあえず「球磨焼酎」を吟味。イケル!日本酒の大吟醸さながらのキーンと澄んだ味わい。チビリチビリといくといい。球磨とは熊本県球磨郡の地域名で、16世紀に米を原料とした焼酎がつくられたことが元祖だという。

辛子蓮根
 そもそも、辛子蓮根が作られたのは350年余り前、初代藩主細川忠利公の時代だという。あの第79代総理大臣のご先祖だろう。病弱のため食が進まない藩主を心配した玄宅和尚が蓮根の穴が細川家の九曜の紋に似ていることに着目。味噌と和辛子を混ぜ合わせたものを蓮根の穴に詰め、衣を付けて油で揚げた料理を考案したらしい。空港では様々な製造元の辛子蓮根が売られるほど名物になっている。一口目は確かに旨いがアキル。ただ九曜の紋に似ているという物語性が実におもしろい。

太平燕
 驚いたのは太平燕。中国福建省福州の郷土料理が元祖のアヒルの卵やワンタンの入ったスープで、明治時代に華僑が熊本に伝え、熊本はこれをアレンジして麺類にした。麺といっても春雨である。名前は中国語をそのまま使っているが、紛れもなく熊本で別なものに生まれ変わった。
 中国での語源もおもしろい。アヒルの卵は福建語で「アッロウン」、同音に「圧乱」がり、乱を鎮めて天下太平ときて、この料理名の「太平」となる。さらにワンタンの皮を「燕」といい、同音に「宴」として「天下太平の宴」だから縁起のいい料理とされた。
 さて、熊本名物太平燕は中華料理店やラーメン店などで食べられるというので、紅蘭亭という高級中華料理店で食した。800円というリーズナブルプライスだが、これが旨い!これなら全国区の評判を得られるのに、熊本県人にすら普及していないそうだ。

無尽蔵の料理文化
 観光の楽しみの大きな一つに食は欠かせない。そのご当地料理には必ず独自の物語がある。創作料理志向のある料理人が地域間交流をすれば、無尽蔵に料理が開発される。北海道とくればジンギスカン、小樽とくれば寿司にあんかけ焼きそば、これも素晴らしいが、ネタはまだまだ無尽蔵。料理の交流文化が期待される。

世界で
 日本周辺の海は世界で最も多種の魚貝類が生息し、日本の山は世界で最も多種の植物があるという。だから日本料理は世界で最もその材料に恵まれている。この豊穣な料理文化土壌をもっと見つめ直す必要があるだろう。

誤解
「熊本は火の国?」ということは「熊本は情熱的な女性が多い?」そんな俗っぽい期待もあったが、実は違った。肥前佐賀、肥後熊本というが、この「肥」をとり「肥の国」を「火国」と書くらしい。さらに火山が多いことにもよる。お間違いなきよう。
 ただ間違いなく熊本の女性は今日的な意味で美しい。失われつつある「ポッテリと色白」という日本の伝統的な美しさではない。「スマートでホリが深く決して白くはない」確率が10人中五割も美人だ。どうやら「火」を宿すのは男のようだ。