小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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COLUMN

海外観光客
編集人 石井 伸和


3.11まで
 平成21年度、小樽での全宿泊延数68万4,000人中、外国人が4万3,240人で6.3%を占め、その数は過去の平成18年度前年比3・3%増、平成19年度は7・2%増、平成20年度は3.9%増、平成21年度は2.1%増とそれぞれ伸びていた。
 平成21年度の小樽の外国人宿泊延数4万3,240中、香港・中国で2万6,886人(62.2%)を占め、香港を抜かした中国人は前年度比で平成18年53.0%増、平成19年度11・5%増、平成20年度40・8%増、平成21年度61.4%増とそれぞれ激増し、21年度の延数は5,706人になった。
 一見、「もしや小樽は国際観光地?」という誤解が生まれるや否や、3.11東日本大震災が起きた。
 結果的に、牽引役を担うかのように急増を示していた中国内陸部からの観光はゼロになり、香港・台湾・韓国は半年過ぎてようやく3・11前に戻った。だが、中国内陸部は依然として止まったままだ。

国際観光地
 ちなみに、国際観光の動機に「世界遺産」があれば、日本一の京都には17物件あるが、北海道には知床しかない。まして小樽にはゼロだ。それを思ったとき、3.11前に感じた「もしや小樽は国際観光地?」というものは明らかに誤解だと気づいた。
 ではなぜ、香港・台湾・韓国から多くの観光客が来てくれるのだろう。韓国は映画「ラブレター」の余波、香港・台湾は親日の余波か。なお3.11前の中国内陸部人の観光動機は、札幌(都市と交通拠点)〜登別・洞爺湖・定山渓(温泉と自然)〜小樽(観光)という北海道の黄金地帯へのニーズだという。
 いずれも来てくれる側に原因があるに過ぎない。
 つまり、小樽は国際観光地として、何の努力もしていないことに変わりはない。

努 力
 では、世界遺産皆無の小樽が国際観光地になる手掛かりやネタはあるのだろうか。かつてコラムで書いた「小樽学会」と「交流」を想い出していただきたい。「交流は観光のゴールであり、まちづくりのスタートだ」とも書いた。つまり、交流ネタを小樽学会が発掘し、交流をわきまえた交流人を数多く育成できればどうだろう。すでに「おたる案内人」は500人を越えた。「案内」の次に「交流」が待ち受けている。小樽の努力の進捗状況はそこまできている。

ファンタジー
 このように観光の本質として「交流」できる体制をを腰を据えて築くことができれば、これが国際観光地の基盤になる。あとは「通訳」だけの問題だ。「世界で最も小さな国際観光地」を目指せばいい。
 次に分母であるビジター(初めて小樽へ行ってみようという層)誘致についていえば、国内・国外問わず、小樽への第一印象は「ファンタジー」だという。小樽の何がファンタジーなのか。一人歩きしている映像がある。積雪の街並みに西洋風の歴史的建造物が並び、そこには建物を再活用した様々な体験・商品・サービスが充実し、建物内は実に温かそうだ。
 この映像が現実離れしているらしい。雪のない国にとっての憧憬、日本なのに洋風、銀行なのにミュージアム、このマッチングがファンタジーの音色を奏でている。これを小樽モデルとすれば、まだまだそのネタは増殖可能だ。

通 訳
 小樽の観光施設が香港・台湾・韓国・中国などから、日本語の話せる外国人を雇用する。それだけで通訳が可能だ。実はこの行為に2つの波及効果を期待できる。たとえば台湾人とすれば台湾事情に詳しい。だから台湾客誘致のためのアイディアやルートを知っているので、徹底したプロジェクトを進めることができる。もう一つは、香港語(北京語)講座を小樽の若手を中心に開き、香港の文化や経済について学ぶことができる。こうして小樽で働く外国人はキーマンになるから、彼らもまた交流人となる。