バス
しらとこずえ
日本人にとってのバスは、公共交通機関で利用する方が多い。時刻表があり、定時より2〜3分遅れくらいなら許容範囲であるが、5分以上遅れると「遅延証明証」を発行してもらいたくなるのではないだろうか。
私が初めて海外でバスを利用したのは、オーストラリアであった。乗り方がわからないため、地元の方に聞いた。すると「乗り場は市庁前」と言う。市庁前と言っても、市庁自体大きいので東西南北どちらか聞くと、「正面」と言う。更に時刻表について問うと、「20分毎に来るよ」と言う。時刻表はないというのである。
アバウトさにも驚いたが、時刻表がない事には目から鱗であった。
もっと驚く事に、乗車後運転席の後ろに注意事項が書かれてあった。「飲食禁止。罰金2,000ドル以上」と。ガムも禁止だという。オーストラリアでのバスは私にとって本当に驚く事ばかりであった。
アメリカ、メキシコでのバスは、学生や下流階級の方が乗るものだという。危ないから絶対に乗るなと地元の友人達に言われた。どんなに危ないかと言うと、性的な問題が日常茶飯事に起きるそうだ。全てではないが、時より起きるそうで、できるならば乗るなと言う。
デンマークでは、車より公共交通機関を利用する運動を推進していて、都心部では沢山の方がバスや電車を利用していた。国によって様々である。がしかし、共通して言えるのは「時刻表がない」ことだ。この路線は15分に1本、30分1本と何分に一度運行しているかが、現地の方達の見極めである。
時間ではなく、来てくれる物を大切に生活している方達が世界中に沢山いることを認識させられる旅であった。