小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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COLUMN

ビジネスモデル
編集人 石井 伸和


若 者
 若者といえば、現在56歳の筆者の年代は「若者たち」「青春とはなんだ」「これが青春だ」「俺達の勲章」などのドラマを見て育った。正義感や友情や愛情が目覚め、うまくいかないことに悩んだ記憶が蘇る。
 その時代時代で青春のイメージがあって当たり前だが、若者が新たな歴史を創ることは古今東西・古往今来変わりはない。
 学生時代は別として、20代30代の社会人も若者であることはいうまでもない。いま小樽に住み、小樽を憂うと産業の停滞もしくは低減が最大のネックとして鎮座している。
 だから産業振興を主体的に担う若者に期待を寄せてしまう。

ターニングポイント
 経済は人間が担うものだから変化する。明治以後の近代化、戦後の高度成長、昭和後期のバブル、そして現在、平成のグローバル化の中にいる。成長の起爆剤となる高度成長は日本で成功し、NIES、ASEAN、BRICSに波及し、だからグローバル化している訳だ。
 かつて高度成長の延長で、経済大国・技術大国と称賛を得た日本経済を担った既存産業はおよそ1990年前後を境に下降線を辿っている。新たな傾向として生まれた環境・IT・福祉などの新興産業もまた経済全体を押し上げるほどの勢いにはなっていない。だから日本は経済的混沌でもがいている。
 ここでさらなる新興産業、つまり新たなビジネスモデルについて、若者が意欲を抱かねばという背水の陣に追いつめられているといっていい。換言すれば、若者の新たなビジネスモデル確立しか、日本経済を立て直す方法は見あたらないのである。

動 機
 様々な発明や発見は個人の問題意識を起源とする。それらは若者が抱く正義感や愛情や友情の果て、あるいは途上で沸く疑問であるやもしれず、その疑問対象が文系でも理系でも無論構わない。「なぜそんな不条理がまかり通るんだ」「なぜ愛する人がつらい目にあうのか」「なぜあんな友人思いのやつが苦しむのか」そんな素朴な疑問から全ては始まる。たとえ目的を持った行動が失敗に終わっても、失敗したからこそ見える何かが発明である場合もあるのだ。
 坂本龍馬は大砲に刀で勝てないと思ったから脅しに負けない近代国家樹立を開花させ、明治はそのシナリオ通り歩んだ。廣井 勇はキリスト教育の札幌農学校で、周りが布教に熱中する中、「僕は心の問題を考えられる余裕を持たせるために埠頭建設をする」と看破し、日本人初の小樽港北防波堤をつくり100余年経過した今日も埠頭は健在だ。彼らの疑問を社会に開花させたのは志が触媒となっている。志とは公を思うビジョンだ。

外 へ
 歴史から証明できる大きなヒントはこれくらいだろう。むしろ若者は未来へ外へ踏み出すうってつけの条件を備えている。いわば若者の特権といっていい。
 新たなビジネスモデルをテーマに旅をして欲しい。多くの地域の若者と交流して欲しい。その交流で培われる志ネットワークが新たなビジネスモデルの支援となる。
 冒頭に経済も変わると言ったが、世のニーズが変わるから経済も変わったという方が正しい。世のニーズは俗に便利に便利にという志向もあるが、決してそればかりではない。また志を立てるのに徒党を組む必要もない。若者個人の中にいたたまれないほどの思いがあればいい。