小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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地産(21) 後志でなにが生産されているの

豆腐
とうふ処みうら
代表 三浦 義也 氏


移住
 三浦さんは33歳の時、田舎暮らしに憧れ脱サラ、夫婦で埼玉へ移住。そこで農業を5年勉強し、本格的に就農を目指した。黒松内町へは新規就農者を募集していたことと、受け入れ態勢が整っていたことから、今から20年前に移住してきた。特にこの町をよく知っていた訳ではない。他の道内町村でも新規就農者を募集していたが、この地を選んだ理由の一つに、夫妻の出身地が東京で、帰省する際、すぐ近くの長万部からJRの夜行を利用でき、移動手段が便利だからだったという。就農を募集していた他の町村では、東京へは一度札幌市を経由しないと行くことができなかった。

就農
 最初の1年間は黒松内町の農業研修制度を利用し、生活費の補助を受けつつ、この間に三浦さんが目指す農業の土台を築く。
 1年後、いよいよ自分の農業をスタートさせる。ところが小豆、大根、いも、長ねぎなどを毎年生産するが、収入が安定しない状態が続き、自分の農業の姿を模索し始めた。

大豆まるごと豆腐
 黒松内町で農業を始めて10年を過ぎる頃だった。以前、本州で食べた豆腐のことを思い出し、取り寄せてもう一度食べてみた。自分が栽培したこだわりの大豆で、この豆腐が作れないかという思いがあったからだ。それは大豆をまるごと使った豆腐で、おからが出ない製法だった。自分が目指す農業と加工、販売がイメージできるところまできていた。

豆腐製造へ
 豆腐製造を決意する。この大豆まるごと豆腐の製造は特許技術のため、製造機械の導入、技術指導という道のりを経なければならない。そもそもこの豆腐を開発したのは豆腐製造機器メーカーで、豆腐製造時に大量に出るおからが将来、産業廃棄物として深刻化すると予測し製法を研究したことによる。また、この豆腐製造は画期的で従来の製造工程を圧倒的に簡略化し製造量も当日に調整することが可能。
 その秘密は、原料の大豆を表皮を除き、あらかじめ特殊な機械で微粉末状にしてストックしておくことにある。これが「大豆まるごと」の由来だ。
 従来の製造法では、前の日に翌日製造する量の大豆を水に浸け、翌日機械でつぶし、煮て絞り、豆乳を作る。この絞りかすがおからとなる。豆乳ににがりを混ぜて固め、型に入れ重しで水分を絞ったものが木綿豆腐、重しを載せないでそのまま固めたものが絹豆腐。これに対して、大豆まるごと豆腐は当日に大豆粉末と水を合わせ煮沸する。この段階ですで豆乳となり、あとは通常の工程で作っていく。前日の仕込みがないので製造量を当日決めることができ、豆乳を作る工程が簡略化、そしておからが出ない、水の使用量が少ないというメリットがある。また従来の製造法は職人さんの技術と勘に頼ることが多かったが、この製法では技術を短期間で習得することが可能という。豆腐製造は奥さんが担当することになった。

三浦さん直筆のお品書き
三浦さん直筆のお品書き
有機栽培のこだわり
 それでは、この製法で製造すれば、誰もが「とうふ処みうら」の豆腐をつくれるのか。答えは否である。農業と加工を一体化させた三浦さんの豆腐は、他では絶対に作ることのできない豆腐だ。それは原料の大豆を自家栽培していること。そして有機栽培にこだわり、食の安全と美味しさを追求している。豆腐製造を決意した時から農業を大豆栽培に絞った。他の作物は自家用程度にした。9町の畑に毎年3町大豆を栽培。残り6町の畑は休ませ、毎年順番に使っていく。大豆の品種は「トヨムスメ」。実は北海道の大豆は甘みがあり旨い大豆であるが豆腐にするには柔らかすぎる品種で、本州方面ではあまり原料としては使われないという。この扱いにくい品種で豆腐を作るには、機械化された製法とはいえ試行錯の積み重ねだったと奥さんはいう。また、美味しい豆腐の影には、三浦さんの畑での過酷な作業がある。有機栽培では雑草取りが欠かせなく、すべて手作業。朝から夕方までひたすら草取りを繰り返す。畑を往復する距離は優に10qを越すといい、フルマラソン並にきつい作業だ。こうして三浦さんが大事に育てた大豆は、その農作業の辛さを一番知っている奥さんが最高の味の豆腐に仕上げる。これがまねのできない味の秘密だ。

自慢の厚揚げ
自慢の厚揚げ
プロが認めた豆腐
 口に入れた瞬間、今までの豆腐の食感ではなく、濃厚で大豆の甘みが広がる。何もつけなくても上品な甘さで食べることができる。今では口コミで道内各地からわざわざ買いに来る方もいる。また、全国的に有名なフランス料理のシェフ、道内有名シェフ、京都の老舗料理店などからも高い評価を受けるまでになった。
 ちなみに、この豆腐の名前は「雪ぼうず」。あのふわっと石や木に積もった雪を豆腐のイメージにした。その文字は三浦さん直筆。温かみのあるこの文字も、味の一部になっている。おススメは「絹と厚揚げ」。ビールがすすみます。

とうふ処みうら
〒048-0136 寿都郡黒松内町字赤井川5番地
TEL&FAX 0136-73-2114
営業時間:9時〜18時
定 休 日:毎週木曜日
*道5号線「道の駅トワヴェールU」手前、道道344号に入り、右手。JR熱郛zw駅より車で3分。
*豆腐の購入は「とうふ処みうら」「道の駅トワヴェールU」またはFAXでもご注文できます。宅配の送料等詳しくはお問い合わせください。