37号後記に「クリミナル・マインド」について記したが、最近のアメリカのドラマをDVD化したものを順繰り見てみると、捜査物が実に多い。「ホワイトカラー」は元詐欺が現詐欺の手口を解いて解決、「ボーンズ」は白骨になった死体の痕跡を法人類学的な見地からどんな人物かを紐解き、個人を導き出して死の原因を捜査、「ザ・メンタリスト」は心理学的な見地からカマをかけたり安心させたりしながら犯人を抽出する。
これらは見方によればアメリカ連邦捜査局FBIのプロバガンダとも映るが、捜査分析が実に科学的で微細になっている時代を知るには充分なドラマである。つまりこれまでの刑事物の解決方法を様々な専門分野でシリーズ化されてきたことになる。
犯罪はあってほしくないと誰もが望むニーズがあるから、たとえイタチごっこでも追求も進化する。
同じく戦争もまた絶対にあってほしくない。戦争の土壌を誰がどうつくり、誰がどんなときボタンを押すのか、それをどうカバーするのか、そういうテーマは既にミリタリーを超えている。
歴史文化研究所
副代表理事・編集人 石井 伸和