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地産(24) 後志でなにが生産されているの?

ワインビネガー
北海道ワイン株式会社     
 取締役製造部長 古川 準三 氏
 製造部品質管理室 係長 田島 大敬 氏




適地適作
 晴れた日には、対岸の増毛連山を見渡すことができる眺望豊かな丘に、北海道ワイン本社は位置する。国道393号線、天神十字街(小樽市)より赤井川方面へ車で約5分。
 1974年の会社設立以来、全く変わらないことは国産の生葡萄(現在北海道産が90%以上)100%にこだわること。世界のワイナリーの中でも地場の原料だけで製造しているのは珍しいという。
 北海道ワインが掲げている言葉の一つが「適地適作」。読んで字の如く捉えてしまうが、この言葉の裏にはワイン造りにこだわる社員の地道な努力がある。北海道の冷涼な気候にあった葡萄を栽培し、ワインを製造する。これが一般的な言葉の意味の一つ。しかし、これは農業全般にいえる伝統的な解釈である。北海道ワインが目指す「適地適作」とは、チャレンジ精神あふれる意味が含まれている。
 浦臼の直営農場も含め、豪雪地帯でワイン造りをしているのは類稀だという。雪深いことのリスクもあるが、凍害から葡萄の木を守るメリットもある。また冷涼で梅雨のない気候は様々な葡萄を栽培することができる。この気候を生かし、直営農場ではこれまで45品種にチャレンジし、現在27品種の葡萄を栽培している。恐らく、全国のワイナリーの中で、これほど多くの品種を栽培しているのは北海道ワインだけだ。あえて多くの品種を栽培しているのは、将来を見据え、この地に合った葡萄にするためのチャレンジだ。つまり、自ら「適地」にしていくための努力を積み重ねているということだ。どうやら、ここに真の言葉の意味があるようだ。

ワインビネガーづくりへの挑戦
 このチャレンジ精神が、新たな製品造りへと発展した。
 2007年、北海道経済産業局は北海道産葡萄を「地域資源」として認定した。これを契機に、北海道ワインは葡萄の有効利用を目的とした「地域資源活用型研究開発事業」に選定され、基礎研究を始めた。
 ワイン造りの工程では必ず残渣が出る。それは葡萄の皮、種、発酵後の澱であり、これらは、これまで堆肥にして畑へ戻していた。リサイクル活用は出来ていたのだが、これを資源として活用できないかというのが、研究の目的だった。その中で注目したのが発酵後の澱だった。澱とはいえ、ワインの有効成分が多く含まれており、これを使ったワインビネガー造りへの挑戦が始まった。

誕生まで
 ワインビネガーとは、ワインに酢酸菌を入れアルコールを酢酸に変化させ、酢になったものをいう。市販されている多くのワインビネガーの原料は濃縮還元果汁と醸造用アルコールでワインビネガー用のワインをつくり、それに酢酸菌を加えていくのが一般的な製法。製品のラベルには「白ワインビネガー」「赤ワインビネガー」という大まかな表示になるのが一般的。つまり単一品種の果汁ではないので、それ以上の表示はできない。
 北海道ワインが目指したものは、自社製造の生葡萄100%を使ったワインでつくるビネガー。しかも葡萄の品種を限定したもの。ワイナリーだからこそ作れる、こだわりのビネガーだった。
 ところが、簡単には事は進まなかった。資源活用が目的なため、原料である澱の濾過の問題、葡萄の品種と酢酸菌との相性など、製品にするためには解決しなければならない
問題が山積した。これらを一つひとつ解決していき、製品化までには約6年を費やした。

おたるワインビネガー ナイヤガラ
 使用葡萄の産地と品種、ビンテージ(収穫年)を表示できるワインビネガーが誕生した。ナイヤガラを原料とした理由は、北海道ワインでの製造量が多い品種であり、今後のビネガー製造を見据えた時、原料として確保しやすいからだという。
 完成したビネガーは、ほんのりと上品な葡萄の香りとさらっとした口当たりで、市販の穀物酢のような甘さはないが、ごく控えめな葡萄の甘さがある。今年の7月から限定販売されたばかりだが、すでにこのビネガーファンとしてリピーターも増えてきているとのこと。

「ナイ酢」
 このワインビネガーはもう一つの製品を生み出した。おたるナイヤガラワインビネガードリンク「ナイ酢」。ナイヤガラワインビネガーに自社のナイヤガラ果汁を配合、しかも香料も使用していない低カロリードリンク。酢を使用したドリンクが苦手の方も葡萄の香りで飲みやすくなっている。

消費者との距離を縮める
 ワインビネガー開発担当の田島さんは言う。「ワインは嗜好品であり、飲まない人にとっては北海道ワインとの距離がある。しかし、ワイン造りのノウハウを活かした「酢」やドリンクという身近な製品を開発することで、その距離が縮まり北海道ワインのこだわりを理解してくれることを願っています。」
まだ、大量生産ができないため、製品の販売は本社のワインギャラリーでの販売のみとなっている。秋の行楽に国道393号を通る際、ワインギャラリーに立ち寄ってみては。

北海道ワイン株式会社
〒047-8677 小樽市朝里川温泉1丁目130番地
TEL:0134-34-2181  FAX:0134-34-2183
E-mail otoiawase@hokkaidowine.com
URL http://www.hokkaidowine.com

*小樽市内天神十字街から国道393号線を赤井川方面へ約5分、左側。駐車場有り。
*ワインビネガー、ナイ酢を購入希望の方は、本社ワインギャラリーのみの販売となります。
 (但し、売り切れの場合はご容赦ください。)