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地産(25) 後志でなにが生産されているの?

ほっけ醤油「寿都のだし風」
寿都魚醤醸造研究会
会長 小坂 良司 氏



ほっけは寿都を代表する魚
 小樽学の「地産」ではおなじみの寿都町。今回は地元で水揚げされたほっけを原料とした魚醤を紹介。
 寿都町統計資料(平成22年)によれば、寿都町の漁獲量7,750tの内9割が魚類、更に、その9割がほっけで、約7,000tという。2位はさけで約250tというから、ほっけの漁獲量がいかに突出しているかが分かる。また寿都町は、沿岸の定置網ほっけ漁、水揚げ日本一の町である。この日本一のほっけが製品開発のきっかけとなった。

開発の経緯
 平成19年、ほっけに付加価値をつけ、新たな製品を開発をしようという動きが出た。中心となったのは寿都商工会と寿都町。きっかけは全国商工会連合会が地域の小規模事業者が地域力を活用して、新たな特産品開発や観光開発、地域の課題解決を目的とするコミュニティビジネスに関する取り組みを支援する「小規模事業者新事業全国展開支援事業(中小企業庁補助事業)」を全国で募集していたことだった。この事業に寿都町は応募した。
 日本一のほっけで魚醤を製造し、寿都ブランドを確立させ、寿都町の産業発展につなげていくこと、もう一つは、春先に獲れるほっけは脂がのっていないほっけが多くあり、これまではすり身としてしか消費されていなかったが、このほっけを何とか違うかたちで活かしたいということが目的だった。また、これまで水産加工品製造が寿都町の活力を創出していたが、近年、生産高が減少傾向にあったため、この事業で新たな加工を創出し、活力を生み出そういう狙いもあったという。全国商工会連合会の審査の結果、ほっけの魚醤製造は平成19年度の事業として採択され、いよいよスタートした。
 町内の水産加工会社13社(当時)が集まり、寿都魚醤醸造研究会が発足。その中の1社の工場を協同工場とし製造することとした。開発には江別の食品加工研究センター(以下、食加研)に協力を仰ぎ、指導を受けた。魚醤そのものの製造は、すでに技術的に確立されていたので、当初より順調に進んでいった。

魚醤とは
 魚醤は、魚の内臓や肉に含まれている酵素で、魚自身の動物性タンパク質などが分解されることにより作られる。この時、魚が腐敗するのを防ぐために塩を入れ漬け込む。タンパク質はグルタミン酸、アミノ酸、ペプチドなどの物質になる。このグルタミン酸が、いわゆる旨味のもととなる。魚醤はこの旨味のもとを多く含むため、少量でも味を深くする調味料といえる。ちなみに「寿都のだし風」の原料は、ほっけ、塩、米こうじのみ。
 日本の3大魚醤といえば、秋田のしょっつる(原料:ハタハタ、イワシ等)、能登のいしる(原料:イカの内臓、イワシ等)、香川のいかなご醤油(原料:イカナゴ)が有名。海外では、タイのナンプラー、ベトナムのニョクナムなどは比較的耳にする魚醤といえる。

だし風とは
 開発も順調に進み、食加研より製造へのお墨付きが出た。平成20年の販売を目指し、製品名の検討に入った。当初は様々なネーミング案が出た。その中で一番しっくりきたのが、地域の風土を表した「だし風」だった。寿都は風速10mを超える日が1年の半分もあり、この風のことを町の人は「寿都のだし風」と呼んでいた。風と魚醤との関係は、というと「だし」を「旨味の出汁」にかけて表現したという。こうしてほっけ醤油「寿都のだし風」が完成した。

「寿都ホッケめし」とタッグを組んで町おこし
 ほっけ醤油の生産量はまだ少ないが、製品は確実に認知されてきている。当初は食べ方、使い方が分からないという意見があったが、町民の協力により、色々なレシピが考案され紹介されている。地元が生んだ製品ということで40代、50代の主婦層は様々な料理にチャレンジしているという。
 ほっけ醤油を使って2011年7月新たなご当地グルメが誕生した。正式名称は「寿都ホッケめし」。ほっけの蒲焼をメインとした定食だが、そこには寿都町ならではこだわりが満載。ほっけのカットの仕方や量、鉄板にのせてアツアツで出す、「かけダレ」には「ホッケの魚醤」入りを用意する、名産の生炊きしらす佃煮をつける、価格は1,000円以内等々。なるほどといえる定義が決まっている。各店の個性を出しつつ、これらの定義をしっかり守った結果、今では町内外にも浸透し、年間8,000食を超えるまでのメニューとなった。これを目当てに来る観光客もおり、「寿都のだし風」が生んだ2次効果といえる。
 寿都へ行くなら、香ばしい香りが食欲をそそる「寿都ホッケめし」がお勧めの一品。そして、秋の食材には、ほっけ醤油をぜひどうぞ。

*町内で「寿都ホッケめし」を食べられる店舗は「ダイマ ル大谷会館」「寿都食堂 たつ巳」「寿し・食事処 かっぱ」 の3店。

寿都商工会(魚醤研究会事務局)
〒048-0406 寿都郡寿都町字大磯町29-1
寿都町観光交流センター内 (道の駅みなとまーれ寿都)
TEL:0136-62-2185 FAX:0136-62-3685

※道道寿都黒松内線沿い
※「寿都のだし風」は道の駅みなとまーれ寿都及び、町内小売店で販売しております。
*道の駅みなとまーれ寿都
・休館日 毎月第1月曜日(休日・祝日の場合は火曜日)
     年末年始(12月31日〜1月1日)
・開館時間 9:00〜18:00(4〜10月)
      9:00〜17:00 (11〜3月)