小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
bg_top
alwHOMEalw読んでみるalw文化素材(11)

文化素材(11)

都市文明


地域産業を支援してきた北前船 <小樽市総合博物館蔵>
地域産業を支援してきた北前船 <小樽市総合博物館蔵>

スポーツジム
 健康とダイエットを兼ねて運動をと思い、スポーツジムのランニングマシンで走っているとき、「なぜこんなところで走っているのだろう?」とふと疑問に思った。「これが都市文明というものだ」と解けた。小樽で走る場所などあまたあるのにだ。一方であまたあるとはいえ走行コースで知人に出会うと照れるということも大きな要因である。ジムでは走って当たり前だから照れる必要がない。照れはさておき、都市文明についてである。

近代以後の都市文明 
 近代以後、広域商業網や広域報道網が整備されると、どこかで発明された商品が都市を通じて全国に発信され流通してきた。その役割を地方の中小企業が担ってきた。自動車、カメラ、コンピューター、洋服、家電、楽器、寝具、設備など、身の回りの商品のほとんどは都市文明の普及だ。ときたま「うちの家庭菜園で生ったキュウリですが」とか、「煮染め多く作ったので」とかでお裾分けをいただくことがある。これはお裾分けというジャンルで都市文明以外のものだ。これを増やさなければ地域からお金が出る一方だということから「地産地消」運動が起きている。起きているし起こしてもいるが、消費者にはほとんど浸透していない。運動が教育となり見本が誕生し実績がなければ、かけ声だけで終熄するだろう。

都市文明支配
 地方に都市文明を普及させる仕事を都市資本自らが担うのが多くの大型店や専門店、あるいはフランチャイズである。地域の中小企業がこれを担っている分なら、少しは地域に金が落ちるが、都市資本が侵略してくると、最早支配の領域に入る。
 しかしこんな理屈など歯牙にもかけられずに、消費者の心が動くのは、品質と価格あるいはデザインや流行である。都市文明にのみ依拠する地方の行く末は人口流出の過疎化で、経済的自立の放棄である。

都市文明の逆視点
 かつて北前船が航行していた時代、北前船ビジネスは寄港地ごとに地域産業を移植しその支援をしてきた。北前船は小樽の天然の良港を見抜き、商業港湾都市への起点となり、商人の合理性を追求し地場産の石を使用した蔵敷業務から木骨石造倉庫を築き、水産資源の豊かさを見抜き水産加工業の支援もしてきた。これらは全て小樽の潜在性を地域産業や地域文化に育てたことになる。
 地球上の山々において日本の山々ほど多種類の植物が混生している森はなく、海においての日本列島を囲む海ほど他種類の生物が混生している海はないという。特に日本の中でも北海道の森は半年の雪により、新鮮で充分な水分補給で、新鮮で瑞々しい。海においても寒いから、生物は自らの体内に脂肪分を蓄えねば生きられないことから旨くダシにもなる。いわば北海道の山海は世界一の宝庫ともいえる。
 これほどの素材を、しかも食糧自給率200%のお宝を、素材のまま安く都市資本に譲っているから、宝の持ち腐れに近い。

発想とコントロール
 地域に地域商社があってもいいと思わないか。都市から自然・加工・販売・促進・情報の専門家を引き抜き、地域産業の6次産業化を目指す機関である。生半可な知識と生半可な自負ではなく、そういう任務を専門としてきている人材はいる。自立した地域産業の育成の中で、地場の人材が学べばいい。もちろんコントローラーは地場人でなくてはならない。