小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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alwHOMEalw読んでみるalw帰化人(38) 小樽こだわりのライフスタイル

帰化人(38) 小樽こだわりのライフスタイル

街と森の身近さ
菰田 尚正 氏
菰田尚正法律事務所 所長(弁護士)
〒047-0032 小樽市稲穂1-3-9カサイビル4階
TEL 0134-24-6511
FAX 0134-24-6512



経歴
 菰田氏は昭和32年7月、母親の出身地横浜で生まれ、3歳の時、父親の出身地川崎へ移住。昭和56年早稲田大学法学部を卒業、昭和58年に司法試験に合格され、昭和61年4月に札幌地方検察庁に検事として勤務された。
「現在では毎年2千人が司法試験に合格して、その全員が法律関係の職場に就こうという就職の狭き門ですが、私の時代は司法試験に合格したのが450〜500人で、就職には安心できる倍率でした。しかも弁護士ではなく検事となれば40名にも満たなかったので、引く手あまたですから、赴任地を選ぶ自由さえありました」と当時の事情を語る。
「私は生まれも育ちも東京およびその周辺の大都会でしたが、個人的には大自然や大平原をイメージする北海道に憧れていました。そんな漠然とした希望で札幌を選択したのがきっかけですね」「来道して2年目の昭和62年4月に小樽へ赴任し平成元年3月までの約2年間滞在しました。これが私の小樽でのデビューでした」

帰化経緯
「その後、静岡2年、東京2年、盛岡2年、高崎1年と地方検察庁を歴任し、丁度10年目に組織人としての限界を感じ、検事を辞任しました。しかし法律家としてできる仕事といえば検事か弁護士しかなく、結局弁護士の道を行くしかないとは判断しましたが、さてどこでと考えました」
「私はそもそも都会より地方が好きでしたが、その理由も私なりに見つけていました。人として素直な夢を都会では見つけられないということです」
「それで糟糠の妻とは小樽で巡り会い、その小樽には弁護士が少なくて、いわゆる司法過疎状態になっていることを知っていました。これが小樽移住の判断のもとになったのですね」
 平成8年4月に奥様の実家に一時間借りし、現在の事務所を開設される。

小樽の印象
「札幌にも住みましたが、たとえば大通から札幌駅までの距離を歩くと、私の好きな地方色が全く見あたりません。ミニ東京に思えてきます。また小樽は観光都市とはいわれていますが、個人生活の上で観光は身近に感じてはいません。私にとっての小樽の最大の魅力は、暮らして初めてわかることです。それは都会の喧噪と森の静寂が徒歩圏で肩を並べていることなのです。街では買い物でも会合でもすぐ気楽に行くことができ、犬の散歩という軽い気持ちであっても、リスやキツツキにも会える深い森に入っていくことができますよね。そしてさらに山の道路沿いには野生の朝顔が咲いていることに驚くと同時に、その隣にゴミが投棄されていたりもします。ゴミ投棄は許し難く腹が立ちますが、野生の朝顔と人間が隣り合わせと考えると、この絶妙なバランスをとれる地方は簡単には見つけられませんね。東京にはほとんど自然がありません。札幌には自然があっても遠すぎます。田舎にはたっぷり自然がありますが都会の喧噪が欠けますからね」
 小樽をこのような物差しで表現した人はこれまでいなかった。実に客観的でリアリティに富んだ物差しである。
「だから私は観光の門外漢ではありますが、暮らす体験を是非観光プログラムに盛り込んでほしいと思います。また高齢都市であれば、若者が介護の勤務に就ける環境を整備するべきではと常々思っています」
 この視点にもなるほどと思える、菰田氏自身の体験で、自らがモルモットとなった実験であるからだ。菰田氏が指摘する小樽の良さや特殊性が街と森の身近さであり、この恵みを感じるには2〜3時間の観光地巡りでは絶対に得ることができない。海や歴史や食べ物を差し置いて、街と森の身近さは画期的な提言ではないか。