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観光学(45) 観光を読む

キャラクターによる「まちおこし」
北海道大学 観光学高等研究センター
センター長・教授 石森 秀三


小樽限定ご当地キャラクター「おたる運がっぱ」
小樽限定ご当地キャラクター「おたる運がっぱ」

キャラクターの魅力
 私事で恐縮であるが、私の3歳半の孫娘はディズニーキャラクターが大好きで、とくにシンデレラ、白雪姫、ミッキーマウス、ティンカー・ベルなどのファンだ。孫と遊んでいるときに、しばしばそれらのキャラクターが登場するディズニー作品のDVDなどを一緒に観ることが多い。不思議なことに長い歳月を経た作品であるにもかかわらず、孫と一緒に真剣に作品に引き込まれ、あらためてディズニーキャラクターの魅力に驚かされる。
 キャラクターは、映画、アニメ、漫画、コンピュータゲーム、小説などのフィクションに登場する人物や動物などを意味している。日本では1950年台にディズニーのアニメ映画とのかかわりで「キャラクター」という言葉が使われ始めたらしい。その後に各種キャラクターを使った玩具やぬいぐるみや文房具などが商品化されて、さまざまなブームが生じた。ディズニーキャラクターの「ミッキーマウス」は各種の商品化が世界的に大成功を収め、日本では「ハローキティ」や「モンチッチ」や「バービー」などのキャラクターがブームになった。
 70年代以前にはキャラクターを用いた商品化は子どもたちを対象にしていたが、TDL(東京ディズニーランド)のオープン後には大人向けのキャラクター商品がブームになり、80年代にはロボットアニメブームによる大人対象のキャラクター商品が人気を博した。
 キャラクター・データバンクによると、2010年の日本のキャラクターの小売市場の規模は1兆6千億円を超えたと推計されており、「キャラクター産業」とよんでもいいような規模に成長している。そういう意味で現代日本ではキャラクターは文化的・社会的に意義があるだけでなく、経済的にも重要性を担っているといえる。

キャラクターによる「まちおこし」
 映画やアニメの人気キャラクターを企業が商品化してブームを起こすだけでなく、2000年代に入ると日本各地の自治体や各種団体が中心になって特定地域の素材にもとづく「ご当地キャラ」がまちおこしに活用されるようになった。それらの「ご当地キャラ」の多くは「ゆるキャラ」とよばれるキャラクターたちだ。
 ゆるキャラとは「ゆるいマスコットキャラクター」の略で、イラストレーターのみうらじゅんさんが広めたといわれている。「ゆるキャラ」は郷土愛に満ちたメッセージ性や立ち居振る舞いのユニークさなどを備えていることが要件だ。日本ご当地キャラクター協会によると、2009年頃には推計で1,000体ほどであった「ゆるキャラ」が、現在では2,000体に増えている。
「ゆるキャラ」ブームを受けて、2010年から「ゆるキャラグランプリ」が開催されている。第1回グランプリの覇者は滋賀県彦根市の「ひこにゃん」、第2回の覇者は熊本県の「くまモン」であった。とくに「くまモン」の優勝効果は絶大で、観光キャンペーンで大活躍するだけでなくくまモンを用いた商品化の申請が月400件以上に激増し、まちおこしで大いに効果を発揮している。
 北海道でもご当地キャラとしての「ゆるキャラ」が活躍しており、着ぐるみのあるキャラだけで70体以上があるといわれている。小樽では今夏に着ぐるみが完成した「おたる運がっぱ」が活躍している。週末には小樽運河周辺で観光客と触れ合いながら、人気を博している。今後、知名度を上げていくことによって、停滞する小樽の活性化に寄与することが期待されている。