小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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帰化人(40) 小樽こだわりのライフスタイル

石山からの夜景は、小樽の夜の帳に憂いを秘めた横顔
青柳 正男 氏
株式会社テクノ 取締役会長



帰化経緯
 青柳氏は昭和15年に静岡で生まれ、山梨で育った。SONYオーディオリサーチに入社し、スピーカーとマイクロホン担当でウォークマンの生産管理に従事。昭和56年41歳で独立し、平成5年に株式会社テクノを設立。東芝のインバータを生産し、蛍光灯のリサイクルという二本柱で事業は発展する。
 平成8年に銭函と石狩工業団地に工場を立地、環境ビジネスの強化を図る。この石狩工場設置の前に、住まいを小樽の石山に設けたのが小樽でのデビューとなる。

人柄
 一言でいうなら「原理を知る人」である。それも理系・文系問わずの経歴と実績を積んでおられるのがおもしろい。環境の時代を見据え、廃棄された蛍光灯をパーツ毎や有害物質を分別し、硝子管を比重の軽い発砲ガラスの素材にして、シュェードランプとか風変わりなタイルに仕上げたり、テクノサンドという名の丸くて吸水性のある砂などを発明して普及。さらに夕張炭礦が盛んだった時代に三井の迎賓館として使われ、昭和天皇や皇太子も宿泊された建物を自社で修復して「鹿鳴館」として再生させ、現在はこの鹿鳴館と廃校になった小学校や夕張温泉などと「交流の里きづな」構想を描いてスポーツや文化交流、そして様々な体験システムを検討。また小樽の旧花園病院の修復も行うなど、新たな社会的装置を楽しみながら創造しておられる。
 時代の先を見越したとき、現状がどうあれ、見越した未来に相応しい潜在性を地域や建物や物質に見抜き、自ら修復し分別し試算し、時代に沿うものを創り上げる、そんな人である。

小樽観
「小樽の景色が大好きです。張碓を越えて小樽の全貌が見えてくると嬉しくなります。旭山からの眺望は景色でありながらなぜか手の届くリアリティを感じますね。私は海が好きで一級船舶の免許があるものですからよく船にも乗りますが、海からの景色は高層建築が少ないのでヒューマンスケールを感じます。とっておきは私が住まいに選んだ石山町の高台からの景色ですね。しかも夜景は絶品です。小樽の夜の帳に憂いを秘めた横顔とでもいいますか、建物建物の表情までが伝わってくるのです」
 以上は「小樽の何がお気に入りですか」と青柳氏に訪ねたご返答である。景色とは時代時代の完成品ともいえる。この完成品に対して「手の届く」とか「横顔」などという表情を読み取る人間味が素敵だ。権威などというものをハナから除外し、「その過程がいいんだよ」といわれた気にさえなってくる。
 酸いも甘いも知る年配者に対し失礼な言い方かも知れないが、そう話す表情は、まるで少年だ。こんな子供心を沸き立たせる大人に小樽で出会ったことがない。まるで青柳氏自身が再生した歴史的建造物そのものかもしれない。