小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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地産(29) 後志でなにが生産されているの

自然卵
滝下農園
代表 滝下純一郎 氏


元気な鶏たち
元気な鶏たち

餌づくり
餌づくり
東京から小樽、そして余市へ
 東京出身の滝下さん。今から30数年前、東京での職を離れ、ぶらりと小樽へやって来た。当時、富岡町にあった民宿「ぽんぽん船」に寝泊まりし、旅を楽しんでいた。そして、そろそろ東京へ帰ろうとした時、あいにく台風の荒天により1週間程交通手段がなくなり、そのままアルバイトしながら小樽に居ついてしまった。これが小樽との出合い。
 時は運河保存運動の真只中。小樽で知り合った仲間が運河保存運動のメンバーだったこともあり、滝下さんも参加。そんな中、縁があり現在の奥様と知り合い結婚。仲人は「小樽運河を守る会」会長の(故)峯山冨美さんご夫妻だったという。
 養鶏を始めるきっかけは赤井川村の山中牧場で1年程働いていた頃、農業をしていた同僚から1冊の本を借りたことだった。それは自然卵養鶏家のバイブルとされている中島正著『自然卵養鶏法』という本だった。この頃、農業を目指していた滝下さんにとって生き方を決める運命の1冊となった。そこには単に養鶏のノウハウだけでなく、自然との関わり方や著者の生き方が書かれており、滝下さんは大きく共感したという。
 自然養鶏を始めるためすぐに行動を起こし、後志各地の土地をあたった。昭和59年、たどり着いたのが現在地の余市町栄町。海・山・川・温泉に恵まれた理想の土地だった。

餌のかぼちゃを茹でる
餌のかぼちゃを茹でる
自然養鶏
 自然養鶏は鶏をケージ飼いではなく、平飼いという地面を自由に走り回れる鶏舎で育てる方法。ケージ飼いした企業養鶏のように、病気にかからなくするために薬を与えたり、人が鶏をコントロールするやり方ではなく、日光や空気、山の水といった自然の恵みの中で自然の餌で鶏を飼うこと。地面が土なので、鶏がクチバシで地面をつついてなにやらほじくり出して食べたり、砂浴びをしたりと、実にのびのびとしている。そして鶏舎内は鶏舎独特の匂いがしない。
 ケージ飼いは狭い面積に無理してたくさんの鶏を詰め込むので、ストレスなどで鶏の抵抗力が落ちて病気にかかりやすくなり、その結果、薬剤が必要になるのだという。
 現在は1,000羽を超す数となったが、当初は100羽からスタート。鶏舎も自分で建てた。しかし数が少なかったため、養鶏だけでは生計が立たず、始めた頃は他のアルバイトをしながらの生活だったという。ただ一つ恵まれていたことがある。この自然卵を販売するにあたり、小樽で知り合った仲間たちが販路の開拓に大きく貢献してくれたことだった。通常の価格より割高な自然卵を買ってもらうことは一人の力では難しく、仲間達が営業マンとなって顧客開拓に奔走してくれたことに感謝している。当時のお客様の多くは今も続いているという。

白身が盛り上がる
白身が盛り上がる
季節感のある自然卵
 滝下さんは餌にこだわる。地元の産物で安心な物を与える。何を与えるというより、何を与えないかにこだわる。
 ケージ飼いでの餌は外国産が多いが、自然養鶏では安心・安全のため地域の産物を中心に与える。フゴッペの山野草、自家栽培のデントコーン、地域の農家の野菜、牧草、道内産の小麦など、その時期に採れたものを中心に配合している。だから季節により黄身の色が変わる。卵の黄身の色は餌によって変わるという。市販の卵は、消費者から色が濃いと栄養があるように思われているため、着色剤が使われている。滝下農園の卵は季節で餌が違うため、黄身の色が変化する。草がある時期はきれいな黄色。秋はかぼちゃの黄色。冬はサイレージやジャガイモが多いのでやや白っぽくなる。ちなみに卵の殻の色は鶏の毛の色だそうだ。
 取材当日、納屋では餌作りが行われていた。翌日に与えるための餌だという。市販の配合飼料なら袋を開ければすぐに与えられるが、自然養鶏では餌作りも手間がかかる。大きな攪拌機の中にはジャガイモやサイレージなど、冬にストックしているものを中心にして配合していく。一方、大きな釜ではカボチャをまるごと茹でている。これは硬い皮も食べられるようにする一手間だ。

滝下さんお手製のシフォンケーキ
滝下さんお手製のシフォンケーキ
健康な鶏から力のある卵
 手間ひまかけた自然卵は、白身の粘度が高く、黄身の回りが盛り上がっている。ケージ飼いした企業卵とは匂いも味もまったく違う。自然卵の一番おいしい食べ方は、生で卵かけご飯として食べるのがよいという。そしておススメはシフォンケーキ。滝下さん自らが焼いたシフォンケーキを賞味させてもらったが、ふっくらでしっとりした食感。ケーキ店の味。自然卵の白身の力がふっくらさせるのだ。この滝下さんの卵の力に惚れ込み、シフォンケーキを焼いて販売している店が小樽市内に3軒ほどある。

購入できる店
 滝下さんの自然卵の購入は、2週間に一度の定期宅配(小樽市内)を基本としているが、農園での直売、小樽市内ではベンジー、住吉町の本間商店、柳川通りの斉藤商店、花園町の自然食品ロハスで購入することができる。また、代表を務める「しりべしなんでも百姓くらぶ」は毎年6月から都通商店街で土曜市を開催(予定)するので、こだわりの野菜とともに購入してみては。

滝下さんが1年かけて建てた自宅
滝下さんが1年かけて建てた自宅
滝下農園
〒046-0001 北海道余市郡余市町栄町2012
TEL&FAX:(0135)23-7734
E-mail:takisita@mtb.biglobe.ne.jp
http://www5f.biglobe.ne.jp/~takisita-nouen/index.html
国道5号線余市方面、フゴッペトンネルを越し「旧フゴッペ温泉貴泉天山楽」へ左折直進。「旧フゴッペ温泉貴泉天山楽」の奥隣り。
購入希望の方は上記の電話でお問合せください。
*宅配は1箱16個入り650円、農園直売は10個入り400円(送料等はご確認ください)