小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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インフラ(2) 地域のためになくてなはらないものたち

一般国道5号(2)


国道整備の背景 ~自動車保有台数~
 道路しかも国道は基本的に自動車走行の増加を背景に建設される。日本国内の自動車保有台数は1981年(昭和56)3,962万957台から10年後の1991年(平成3)には5,991万4,623台になり、51・2%増だから1・5倍に増える。さらにその10年後の2001年(平成13)には7,340万7,762台で1・85倍、そして2011年(平成23)には551万2,887台で1・9倍に膨れあがる。
<国土交通省調べ四輪自動車推移 出所:(社)日本自動車工業会>
 また小樽市内と後志管内の保有台数推移では、1990(平成2)年小樽58千台後志120千台、1995(平成7)年小樽67千台後志139千台、同12年小樽72千台後志145千台、2000(平成17)年小樽73千台後志149千台と今日もなお増えつづけている。
<北海道開発局調べ>

国道整備の背景 ~道路ネットワーク~
 1992(平成4)年に札樽自動車道が中央自動車道と直結、2002(平成14)年には小樽と中国の間に定期航路が開設、さらに後志管内は道内有数の観光地として振興のための道路網の整備が求められていた。平成4年から16年まで塩谷~オタモイ間の4車線化、平成10年から平成13年には朝里4丁目~銭函2丁目(桂岡)間の4車線化が完了し、小樽市内の国道5号は全て4車線となる。いずれの4車線化も農水産業を中心とした物流ルート、札幌圏から後志管内へ向けた観光アクセスルート、道央圏と道南圏を結ぶ主要幹線道路としての機能を担い、地域の活性化、産業振興にあたっての機能向上は欠かせない。

国道整備による社会貢献
@農水産物の物流
 後志管内の農産物において、道内市場や醸造工場、小樽港へのアクセスが向上し、農産物流通の定時性確保に寄与し、また水産品の輸送の定時性が向上し、道外市場へ鮮度を保持した水産品の安定した供給に寄与。
A観光アクセス
 国道5号は、国際観光を推進するために北海道が取組む推進施策や目標を示した「北海道外客来訪促進計画」の観光経路(メインルート)に位置づけられ、当該区間は、域内の観光地を結ぶ観光メインルートとなっているため、当該事業の整備により、観光期の交通渋滞が緩和し、当該沿線や北後志地域の観光地へのアクセスが向上。
B高度医療
 後志支庁管内から高度な医療機関を有する札幌市への救急搬送時において、迅速性の向上、安全性・安定性の向上。
C公共交通
 バスの定時性が確保され、バス路線の利便性向上。
D通  学
 歩道の狭小幅員が解消され通学の安全性が向上。

<北海道開発局 一般国道5号塩谷拡幅事後評価結果準備書説明資料>

背景と貢献の視点
 このように道路を利用する自動車台数の増加に対応すると同時に、後志管内の産業や生活の向上を考えて整備がされてきた。もし仮に国が存在せず小樽市の市道と考えた場合、後志管内の産業や生活の向上という視点はあっても、ネットワークという視点が希薄になる。たとえば小樽市内は左側通行で札幌市内が右側通行ということも起こりうる。だから国道として合理的な整備がなされてきたといえる。つまり地域がインフラを考える視点に交通ネットワークへの配慮は欠かせない。しかし交通ネットワークへの配慮に偏ると地域のアイデンティティを失う危険性も重要だ。