小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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アーティスト(4)

情感と実相
画家
羽山 雅愉 氏 Masayoshi Hayama



黄昏・小樽
黄昏・小樽
小樽へ
昭和18年に釧路で生まれた羽山氏は北海道教育大学釧路分校美術科を卒業後、後志の小学校に教師として赴任し、その後、小樽の手宮西小学校・忍路中央小学校・西陵中学校を経て長橋中学校を最後に退職されるが、暇を見て作品を描いてこられた。

黄昏(2005年)
黄昏(2005年)
画風の変化
 小樽へ来た頃のモチーフはピエロや人物が中心であったが、小樽の街並みに魅力を覚え風景の中に人物が配され、次第に風景そのものをモチーフとするようになる。この変化を羽山氏は「小樽の街並みを見て明治や大正の時間が匂い立つように僕には感じられました。しかも古いものが新しいものに同居している佇まいに惹かれました」と語る。
 さらに「僕の中で覚醒した懐古的幻想性は、霧の街釧路で育ったせいかウエットな表現で包みたくなるのです。だから雨上がりのような表現が多くなってきました。地面に水が這うということは風景がそこに写し込まれるのですね。ここに実像と虚像の二者が視界に入ってきます。描く僕にとってどちらが心を写す実相なのかは、そのときの僕の心次第なんですよ。しかし明日あるいは遠い将来違ってくるかもしれませんが、そのときの実相は真実であることに間違いないのです。ですから実像と虚像のバランスをどう主体的にとらえるかで個々人の画風が異なってくると思っています」と訥々と諭してくれる。

黄昏の雨・小樽-07(2007年)
黄昏の雨・小樽-07(2007年)
バランス
「ではそのバランスの兼ね合いはなにかというと、個々の経験ですね。僕が描く空の色はイエロー系からピンク系に変化してきました。それは描いた時の僕の主観が経験によって判断するのです。ということはその作品はその時の情感が盛り込まれてくるのです」

黄昏・小樽-08(2008年)
黄昏・小樽-08(2008年)
ファンタジー
 高貴なお話を聞いた後に俗な話を持ち出すようで申し訳ないが、「小樽へ行ってみたい」というビジターの動機で最も多いのがファンタジーといわれている。であるなら小樽のファンタジー性を最も早く見つけられたのが羽山氏といえる。写真をいくつか掲載するがカラーでファンタジー感は大きく違う。是非本物の作品を見てほしい。羽山氏の作品をファンタジーという言葉に閉じ込める気はないが、ファンタジー的な世界から羽山氏がいう「情感」に気がつく。しかもそれは優しい。

冬色
冬色
公募展・団体展
1978 北海道の美術「現代美術展」《北海道立近代美術館》
1987 全道美術協会展<全道展>会員
1989 顔・貌・かおの大博覧会《北海道立近代美術館》
1990 安井賞展
1991 札幌時計台文化会館記念大賞展
1992 「北の現代具象展」<以後毎回出展>
2000 北海道・港町浪漫《釧路芸術館・函館美術館》
2003 画集「海のある風景」に掲載~北海道新聞社~
2008 追想~芸術家の愛した風景《釧路芸術館》
    第50回麓彩会展《小川原脩美術館》
2010 小樽美術家の現在シリーズV・羽山雅愉展《小樽美術館》
2011 第4回道内作家・洋画展《大丸・札幌店》
2012 北海道現代具象展・小品展《三越・札幌店》


■個 展
 札幌時計台ギャラリー・小樽美術館・大同ギャラリー・ギャラリー「どらーる」・釧路芸術館・網走美術館・小川原脩美術館・北都館ギャラリー・STV北2条ビル
■アトリエ
 〒048-2672 小樽市塩谷2-16-10 TEL 0134-26-3478