小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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編集後記

井の中の蛙大海を知らず


 出典は荘子の「秋水」に「井蛙不可以語於海者、拘於虚也」[井蛙は以って海を語るべからず、虚に拘めばなり]といわれる。「虚に拘む」とは空虚な戯言にあたふたとすることをいう。似たような格言に「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」というものもある。小さな器の鳥には大きな器の鳥の志を知ることができないという意味だ。悲しいかな人はその人の想像力でしか理解できない。
 ところが「井の中の蛙大海を知らずされど…」と日本人が後付けした言葉もある。「されど天の深さ(青さ)を知れリ」という。細川護煕が総理大臣になった時代背景の中で「中央集権から地方主権へ」という風が吹き、「地方で思いっきり飛べば世界が見える」というようなことを言った人がいた。実に似ている。地方が井中の蛙とされても飛べば世界が見えるという。
 いずれにせよ世界を見て語り合えるといい。

 歴史文化研究所
副代表理事・編集人 石井 伸和