小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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意匠(43)

ブラケット


金融資料館前(旧日本銀行小樽支店)
金融資料館前(旧日本銀行小樽支店)

松田ビル正面玄関(旧三井物産小樽支店)
松田ビル正面玄関(旧三井物産小樽支店)
ブラケットとは
 ブラケット(bracket)とは壁面の上部に取り付ける種類の照明器具。あまり大型のものはなく、補助照明として用いられることが多い。廊下や階段の照明としても用いられる。壁を照らす事により間接照明のような空間を演出する効果がある。なお、壁面下部に取り付ける照明器具はフットライトという。

松田ビル壁(旧三井物産小樽支店)
松田ビル壁(旧三井物産小樽支店)
小樽のブラケット
 ブラケットは西洋文化であるが、日本では行灯や提灯がその機能を果たしてきた。小樽は日本でも先駆けて近代化の街並みが生まれてきたこともあり、洋風建築が多いためブラケットを設置する建物は多い。歴史的建造物の属する建物の場合には設計者がこだわったデザインのブラケットを施している。
 小樽の歴史的建造物研究の第一人者である駒木定正氏はこんな楽しい想像をされている。松田ビル(旧三井物産小樽支店)正面玄関のブラケットのデザインは、エンパイヤステートビルを思わせる。向かいには明治45年竣工のルネッサンス洋式の日銀、隣には同年竣工のネオルネッサンス洋式の北海道銀行に対抗すべく、昭和12年に竣工したこのビルはアールデコ洋式の時代で、当時最大の偉容を誇っていたのがエンパイヤステートビル(昭和6年竣工)。したがって設計者松井貴太郎はエンパイヤの最下層を建物の設計コンセプトにし、これが空に向かって伸びる最上階をブラケットデザインにしたのではという。小樽から世界の最先端が見えるようだ。
 その他小樽では、新たに設置されたデザインの小樽的特長は昭和61年に整備された63基のガス燈をシンボライズしたものが多い。

ハローワーク壁
ハローワーク壁

小樽郵便局壁
小樽郵便局壁

ホテルヴィブラントオタル勝手口(旧北海道拓殖銀行小樽支店)
ホテルヴィブラントオタル勝手口(旧北海道拓殖銀行小樽支店)

小樽 il PONTE壁(旧小樽運河工藝館)
小樽 il PONTE壁(旧小樽運河工藝館)

小樽浪漫館壁(旧百十三銀行小樽支店)
小樽浪漫館壁(旧百十三銀行小樽支店)

ふうど館正面
ふうど館正面