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インフラ(17) 地域のためになくてなはらないものたち

朝里ダム


朝里ダム航空写真 <北海道後志総合振興局小樽建設管理部事業室事業課>
朝里ダム航空写真 <北海道後志総合振興局小樽建設管理部事業室事業課>

朝里ダム
 朝里川温泉から定山渓へ抜ける通りは、道道1号小樽定山渓線、通称「ゆらぎ街道」「定山渓レイクライン」という。北海道初のループ橋(朝里大橋)は朝里ダム建設と同時に造られた。
 これら一連の朝里ダム・朝里大橋・公園ゾーンは、我々一般市民にとって美しいインフラだが、大事な働きをしていることをご存じだろうか。
 ダム上部の水が貯まった辺りには長閑な公園も整備されており、下部にも流水を目の当たりにしてマイナスイオンたっぷりの小公園がある。道道であることや、集水の川が朝里川で北海道管轄であることから、北海道(小樽建設管理部事業室事業課)の管理施工となっている。工費は国・道のほか、小樽市の水道水供給も目的とする
ことから小樽市も拠出した。

背景
 朝里川は昭和40年台風24号、昭和50年台風6号によって1,100万円を越える被害が発生し、早急な治水が望まれていた。一方小樽市においても朝里川温泉地区は市街化区域に編入され、土地の高度利用化が目され、また朝里川は昭和初期から小樽市の重要な水源であると同時に、ドーナッツ化現象による郊外地区の人口増加によって、水源の整備が望まれていた。
 このような背景から、昭和53年度に朝里ダムを水源とした水道事業が認可され、昭和60年から平成5年にかけての長期に亘ってダム本体の工事が行われた。

朝里ダムの機能
 朝里ダムの機能は、洪水調整・流水の正常な機能の維持・水道用水の3つの多目的ダムとなっている。流水の正常な機能とは下流用水への供給と同時に、朝里川の自然環境を維持することを目的とするものである。また水道用水は小樽市の65.3%の水道供給を果たす重要な施設である。ちなみに平成24年度の小樽市の年間送水量の実績では、天神(余市川)33.9%、豊倉(朝里ダム)(朝里川)65.3%、銭函(銭函川)0.8%であったことから、小樽市の水道供給の半分以上は朝里ダムというのが現状だ。

朝里ダムの工法
 朝里ダムは北海道発注ダムの中で、先端技術である本体コンクリート打設にRCD工法を採用した最初のダム(全国で7番目)。
 RCD工法とは、コンクリートダム建設における日本独自の工法で、セメントの量を少なくした超硬練りのコンクリートをブルドーザーで均し、振動ローラーで締め固める工法をいう。大量打設が可能で、工期短縮・工費低減・工事の安全性に効果がある。

市民としての考え方
 私たち小樽市民にとって朝里ダムは「長閑な美しいインフラ」としてしか目に映らない。しかし以上の取材でわかるように、防災はもとより、小樽の水道水の65・3%を供給する重要な施設だ。「もしこのインフラがなければ」と想定すれば、市民一人一人の節水意識では到底賄えるものではない。生活にも産業にも多大な制限が加えられてしまう。
 だから水を大事に使うと同時に、川を汚さない努力は当然で、ダムの機能がいつまでも維持できるためにできることを考えていく必要があるだろう。