経済学者までが
先日、「藻谷浩介・山崎亮『藻谷浩介さん、経済成長がなければ、僕たちは幸せになれないのでしょうか?』学芸出版社」という本を読んだ。
この中で藻谷氏は、一国の経済成長を指し示す様々な経済指標の数字の絡繰りを明らかにすることによって、それが地域経済を考慮していない事実を指摘している。したがって地域に生きる人々の幸せと経済指標とが乖離しており、一般の人々が「幸せと感じること」と国が指標とする「経済成長」には大きなへだたりがあることを説いている。
一方、藻谷氏は別著『里山資本主義』で、地域経済というものを対象に、ストック、エネルギー、ライフスタイルなどを素材に自立に向けた地域経済を説く。
私は、昭和53年から今日に至る37年間、「小樽の自立」を目標に様々なまちづくり運動を進めてきた。同志は全国の地域にも少なからずいることは知っていたが、50歳の新進気鋭の経済学者が「地域の自立」を対象とした研究と提案をしていることに驚きと希望が湧く。
歴史文化研究所
副代表理事・編集人 石井 伸和