小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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地産地消 資源と文化の発掘

国際波と国内波の中で
足もとの恵まれた環境を生かそう。



世界の食糧事情
 食糧不足で世界中で暴動が既に起こっています。パキスタンやタイでは食糧略奪予防のために軍まで出動するという緊急事態になっています。
 その背景は、これまで先進国の8億の人口だけで回していた市場にBRICsの約30億人が加わるので、当然食料は足りなくなるということです。
 さらに、そこに投機マネーなどが錯綜しているので、食糧関連の実体経済も混乱しています。
 ここ5年間で小麦は3倍、とうもろこしが2倍、米が2・8倍に跳ね上がってきました。現在の世界金融危機も心配です。

※BRICs
 経済発展が著しいブラジル(Brazil)・ロシア(Russia)・インド(India)・中国(China)の頭文字を合わせた4か国の総称。本来BRICsのsは英語の複数形を表すが、BRICSとしてSが南アフリカ(South Africa)を表す場合もあり、さらにインドネシア(Indonesia)を加えた6か国の総称として「BRIICS」と表記することもある。

日本への影響
 日本の食糧自給率は先進国の中でも大変低く40%を切っています。穀物に至っては28%という低さです。日本は食糧のグローバル化が進行し、世界の食糧事情の影響を最も強く受けやすいといえます。

北海道の食糧自給率
 2006年度の農林水産省の調べでは、北海道の食糧自給率は195%で全国一です。北海道は世界的にも十分な食糧自給率を保持していますが、それにより、数多くの農家、漁家や会社が大きな恩恵を受けているのでしょうか。

経済の中央集権化
 農業や漁業は日本中の地方が担っています。したがって地方の食糧自給率は高いのは当然です。ここまでは間違いありません。収穫されたものは農協や漁協、あるいは商社を通じて都市へと出荷されます。そして都市周辺で加工され、小売つまりスーパーなどで売る時にまた価格が上乗せされます。
 つまり、地方は原材料を「安い」段階で出荷して終わりなのです。だから地方の農家も漁家も価格をしぼられて豊かとは決していえません。価格が通常2倍になる加工工場も都市圏に集中しているので、付加価値に相当する分は都市が吸収してしまっています。
 このような中央集権型流通構造ゆえに、地方は高い自給率を誇っていても、儲かるところは大都市にすべて吸収されているのです。

地産地消革命
 このような現実を踏まえて、地方の食品業界が力を合わせて豊かになる努力をしなければ、国際波と国内波の二重の荒波に飲み込まれてしまうのはそう遠くはないでしょう。
 地産地消が叫ばれているのはこういった背景によります。
 地産地消の利点は「旬なものを旬の時期に、しかも流通コストをかけずに安く買うことができる」という合理性にあります。しかし私たち消費者は小樽周辺で何が収穫されているかさえよく知りません。
 私たち消費者は地産のよさをしっかり学び、一方、加工業者や市場やスーパーも連携して、地産を加工し、販売する努力が求められています。

食文化創造の装置
 小樽にはかつて、沼田喜三郎が興した共成という東北以北最大の精米会社がありました。また小豆相場で大儲けをして「豆将軍」といわれた高橋直治も有名です。こうして小樽は米と小豆の集荷基地となり、そこから良質の米や小豆を加工した餅や菓子が数多く生まれ、現在の小樽の代表的な食文化の一つとなっています。
 この歴史的事実から考えると、地域に豊かにある食材から、良質な食文化が育まれることがわかります。
 北海道は地元で消費される率が低く、したがって新たな食文化も育ち難くなっています。ぜひその恵まれた環境を活かし、地域に根を張った経済構造と文化にしていきたいと思います。
 ここでは、そのための材料を提供していきたいと考えています。