小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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漁獲(2) 後志でなにが収穫されているの

ウニ
小樽市漁業協同組合
  浜本 登 氏


浜本 登 氏
浜本 登 氏

現場の概要
 愛知県知多市出身の祖父 浜本権太郎は、昭和初期に渡道し、鰊漁が盛んだった高島で漁獲物の加工を営み、父 彰が継承しますが、鰊漁衰退に伴い加工業を断念します。そして三代目 登氏が1992(平成4)年に自ら漁師として自立し、現在は家族でウニ・シャコ・コナゴ・タコなどの浅海物を獲っています。漁獲物のすべては漁協に出荷しています。

ウニ
 ウニの漁期は5月10日から8月いっぱいまで続きます。近年では出荷の際にミョウバンを使わずに塩水につけたウニが喜ばれ、浜本氏も塩水ウニで付加価値を上げる努力をされています。また折りに目一杯盛った高折りで遠隔地に出荷し、一列に盛った薄折りで近隣の市場や寿司店などの飲食店に出荷されています。
 ウニが他の漁獲物と違うのは、漁師の段階で製品化しなければならないことです。つまり殻を割って、身を取り出し、折りに詰める作業を伴います。家族総出で行いますが、その作業は並大抵な苦労ではありません。
 ウニを使った料理には様々なものがありますが、ウニを素材にした加工品は極めて少なく、瓶詰めにした「塩うに」「つぶうに」などしかありません。浜本氏の実感では、「生か焼くのが最もおいしい」ということです。

道立水産試験所の話
 ウニには北海道全域でとれる寒流系の「エゾバフンウニ」(ガンゼ)と、島根県以北でとれる暖流系の「キタムラサキウニ」(ノナ)の二種類があり、漁獲量では「エゾバフンウニ」の漸減を「キタムラサキウニ」の漸増でカバーしてはいるものの、全体的にはゆるやかな漸減傾向が続いています。温暖化の影響が大きいのではと考えられています。
ウニは「むき身重量」という身だけの重量を単位として統計がとられていますが、北海道水産現勢では、全道では854トン、後志では115トン、小樽では26トンという数字です。(2007年度)

<北海道立中央水産試験場資源増殖部 高橋 和寛 氏>

小樽市漁業協同組合の話
 2008年度の漁協実績では、年間25トンのウニをさばきましたが、そのうち約25%が本州、約75%が道内、そして道内のうち約40%が市内という把握がされています。「把握」というのは末端までの厳密な追跡調査が不可能だからです。小樽の漁師が漁獲したほぼ全量は、高折り(120g以上)、薄折り(100g)、カップ(塩水ウニ)と3パターンで漁協に運ばれます。これらを仲卸約10軒、そして小売約200軒に競りが行われます。この後は、たとえば小売店で買った人が本州へ送るというケースもあることから、厳密な地産地消率を計ることができません。
 市内では、寿司店・居酒屋・市場・スーパーなどに出回っていますが、1987(昭和62)年、「小樽寿司屋通り」誕生にみられる寿司ブームは、市内に出回る率を上げるのに一役買っているといえます。
 「塩水ウニ」のカップ形態での集荷も地産地消を支援するものです。ミョウバンを使って日持ちさせるものは基本的に本州送りとなりますが、カップ出荷は鮮度は保たれますが、それほどの日持ちは期待できません。このことが近隣で鮮度と味を保ちながら流通させる新たな市場創造につながっています。

<小樽市漁業協同組合 三上 邦夫 氏>

寿司店の話
 ウニは観光客にとってはカニと並んで人気ネタの王様です。ところが、ウニの旬でない季節にも注文される場合がよくあります。あいにく生ウニの冷凍は出回っていないのでがっかりされます。蒸しウニの冷凍はあるので、旬でない時期には、「ウニとじ」「ウニの天ぷら」などの創作料理を提供して喜ばれています。

<寿司処 多喜二 梅木 誠 氏>