小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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分野(9) 様々な観光

和菓子製作体験
株式会社 つくし牧田
代表取締役 牧田 浩司 氏
〒047-0024 小樽市花園5-7-2
TEL(0134)27-0813
FAX(0134)27-1310


株式会社 つくし牧田 代表取締役 牧田 浩司 氏
株式会社 つくし牧田 代表取締役 牧田 浩司 氏

小樽菓子のブランド
 広義でいう「菓子」は和菓子・洋菓子・アイスクリーム・駄菓子などが含まれますが、いわゆる甘味というジャンルに該当します。小樽には近代以後の老舗菓子舗が多く、また道内はもちろん全国的にも「小樽菓子」はブランド性を持ち、小樽観光の重要な資源にもなっています。
 そして小樽は早くから近代化の道を歩んだことから、洋菓子も多く、伝統的な和菓子とともに誠に恵まれた菓子環境であるといえます。

ルーツの手掛かり
 さてそのルーツはというと、「なるほど」と思える供給と需要が指摘されています。供給とは、明治後期から昭和初期にかけて小樽は小豆の集散基地であったため、良質の小豆の供給が可能だったこと、需要とは、機械化が進んでいない時代の物流基地小樽には、多くの肉体労働者がおり、甘味が求められたということです。
 こういう背景の中で、東京等で修行を積んだ菓子職人が誕生してきます。その代表が稲穂4丁目にある高山菓子店の初代(故)高山良介氏でした。

高山良介氏と牧田 稔氏
 菓聖といわれた高山良介氏は自らの店舗をはじめ多くの菓子職人に影響を与えています。千葉県市川市行徳の名店「菓匠 京山」の主人佐々木 勝氏や小樽花園5丁目のつくし牧田の先代(故)牧田 稔氏です。
 牧田氏は高山氏の紹介で東京赤坂「塩野」や神楽坂「五十鈴」、新橋「ちぐさ」などで修行し、小樽の「千秋庵」から独立して1975(昭和50)年に「つくし牧田」を開業します。

お干菓子
お干菓子
和菓子文化とつくし牧田
 今日、菓子の種類は無限の広がりを示していますが、和菓子は茶道文化とともに洗練を極めながら成長してきました。しかし無限の広がりを持つその他の菓子に市場を狭められているのも事実です。
 鰍ツくし牧田では茶席に用いる「上生菓子」や「お干菓子」という伝統的系譜に根ざした製造を専門に行っています。「上生菓子」は濃茶といわれる抹茶に添える40g前後の菓子、「お干菓子」は薄茶といわれる煎茶に添える10g前後の菓子です。このような茶道のしきたりは江戸中期に確立したといいます。

上生菓子
上生菓子
狭まる市場との葛藤
 鰍ツくし牧田では先代稔氏が昭和50年に開業したときから、主に全道の菓子店の下請けから始まり、1989(昭和63)年の開店以来、自店販売を含めて一定の売り上げを維持してきましたが、小樽職人の会加盟や北海道職人義塾大学校マイスター一級技能士として、後人の指導にも熱い眼差しを注いできました。
その熱意は次第に「和菓子をつくってみたい」というニーズを喚起し、多くの人々から指導を乞われるようになってきます。
 このような事情から「和菓子製作体験」という新たなビジネスモデルが誕生してきました。

和菓子製作体験
 現当主二代目牧田浩司氏(48歳)は、父稔氏を師匠として現在菓子づくりの他に製作体験で活躍しています。なんと年間1,000人くらいの体験希望者を対象に、小樽マリーナのホールや小樽運河工藝館などの会場で開催しています。希望者の90%は学生で、時間は60分〜90分です。「練切」と呼ばれる種類の菓子を丸めたり包んだりかたどったりします。入門編と実践編とに組まれ、一人1,500円で体験できます。

牧田浩司氏
 素朴さの中に菓子づくりへの真摯な姿勢が印象的な浩司氏ですが、浩司氏作の上品な上生菓子のご相伴にあずかる機会を得ました。甘さを適度に抑え、小豆と白あんとの組み合わせが口の中で調和していきます。
 浩司氏の子供の頃には、歯が痛くなるほど甘いものでしたが、現在は寒天質により離水効果を抑える技術が加わり、自然に甘さを抑制すると同時に、日持ちもするようになったという蘊蓄も教えられました。