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広域観光(10) 他地域との連携

鰊文化の回廊めぐりへ
積丹町美国鰊場やん集小道づくり推進協議会
会長 成田 静宏 氏
美国観光ハウス
〒046-0201 積丹町美国町字船澗49
TEL(0135)44-2100


旧ヤマシメ邸外観
旧ヤマシメ邸外観
危機感
 平成11年に積丹町に旧ヤマシメ邸(建主:福井重次郎)が寄付されました。平成19年に積丹町はこの物件を売却するため一般競争入札にかける計画を立てます。それには「現状維持」や「原形修復」といった歴史を大切にする条件がつけられていないことを知り、町民は「もしかしたら立派な歴史資源が壊されるかもしれない」という危機感を抱きます。
危機感をいち早く抱いた成田静宏氏は仲間に声を掛け、町民5人の発起人が集い、平成20年の秋に「積丹町美国鰊場やん集小道づくり推進協議会(会長 成田静宏氏)」を組織し、積丹町に「待った」をかけます。議会でも「了解」を取り付け、3年間無償で借り受けることになるのです。

旧ヤマシメ邸内観
旧ヤマシメ邸内観
議論と活動
 旧ヤマシメ邸の現状は老朽化し荒れ果てていました。屋根が壊れ雨漏りがし、床も壁も忍びない状態を確認し、いずれにしても修復の必要性で協議会は一致します。しかし人口の少ない町で寄付等を募るにも限界があり、太陽北海道地域づくり財団に要請します。運良く200万円の補助金が決まり、協議会も驚喜し、ますます前向きに復活へ向けた意欲を持ちます。
 修復計画は専門家の駒木定正氏(北海道職業能力開発大学校准教授)に相談し、屋根の修復と部屋の一部にあてます。
 次にこの運動を町民全体の運動にすべきということで一致し、啓発活動として月1回の例会を開催し、鰊漁体験者の古老の話を聞いたり、積丹の鰊場を舞台にした「ジャコ萬と鉄」という映画を上映したりしています。

旧ヤマシメ邸内観
旧ヤマシメ邸内観
イベント
 平成21年10月3日には「やん衆ニシン祭り」というイベントを旧ヤマシメ邸で開催し、駒木定正氏による講演「ヤマシメ邸の実測調査による鰊漁家の特徴について」や、積丹鰊場音頭保存会による正調鰊場音頭の披露や、やん衆おにぎり・鰊の三平汁などの提供が行われ、多くの人々が集まりました。

旧ヤマシメ邸内観
旧ヤマシメ邸内観
振り返れば
 積丹はこのような歴史的な漁家建築の宝庫です。修復すれば豪邸になる物件は18軒以上もあります。また既に再利用されて不特定多数が利用できる施設も存在します。
 成田会長は、「やん集小道」でこれらを回廊のように巡ることのできる美国を夢見ています。そうすることによって各物件の中にガラクタのように転がっている道具や調度品などがみな息を吹き返します。積丹の華やかりし頃を復元し、古老の話から志を学び、誇りを取り戻し、豊かな歴史的街並みに多くの人々が訪れることを夢見ています。

運動
 テレビコマーシャルに「頑張っても夢が叶うとは限らない。でも頑張らなければ絶対叶わない」といったようなコピーがあります。
 新しいことはそう簡単に形になりません。特に財力がないことが最大の問題として横たわっています。だから運動をします。運動の中で新しいことを時間を掛けて形にしていくと同時に、外へのPRも蓄積され、協力者も増えていきます。
 これが夢を実現するただ一つの道ではないでしょうか。全国でまちづくり運動は存在しています。なんでもかんでも中央といっていた30年前では考えられない現象が普遍的になってきました。これも運動の成果です。
 中央から地方の時代に移行しつつある現在、これらの熱意がさらに盛り上がることが望まれますが、逃げ場のない、体を張らねばやれない民間組織ができたことは、後志にとって大変重要な萌芽でもあります。

「ジャコ萬と鉄」の番屋を移築
「ジャコ萬と鉄」の番屋を移築

「番屋小道」ともいえる街並み
「番屋小道」ともいえる街並み