小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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地域資源活用ビジネス(8) 小樽独自のビジネスモデル

地域の好みの発見と進化
株式会社 兼正 阿部製麺
〒047-0156 小樽市桜5-6-17
TEL(0134)54-7351
FAX(0134)54-1420
E-mail:abe-men@ceres.ocn.ne.jp


生ラーメン
生ラーメン
好み
 地域ごとに食への好みが異なる例は数多くあるようです。テレビ番組「秘密のケンミンshow」はその特化した事例がうかがえます。
 たとえば、うどんでは関西は昆布だしで薄味、関東は鰹だしで濃味、ラーメンは札幌は味噌、旭川は醤油、函館は塩などに人気があり、また全国販売のカップ麺のスープも地域の好みによって味を変えています。
 さて小樽好みとは? これを把握することは、関連業にとってなによりも重要な事項です。しかも長年の経験や実績が必要になる大がかりな作業でもあります。
 阿部製麺では、この「小樽好み」という地域資源をしっかり把握して麺づくりに励んでいます。

生太麺
生太麺
小樽好み
 阿部製麺は主に量販店に生麺を出荷していますが、麺類でいうと、うどんは角切りより丸切り、そばは黒っぽい田舎そばより白っぽい更科そば、ラーメンは太麺より細麺が小樽人の好みだといいます。
 これが後志の他の地域や札幌の好みと明確に違うというのも驚きです。たとえばそばは倶知安では圧倒的に田舎そばが人気で、小樽は更科そば、札幌では半々で胡麻そばなども人気があるという地域性がうかがえます。
 したがってスーパーの陳列でも、地域ごとに各種類のボリュームが異なり、同じ麺類でも札幌ではラーメンスペースが大きくとられ、小樽ではそば・うどんスペースが大きくとられています。

生細麺
生細麺
小樽ラーメン
 製麺業界ではラーメンの加水率によって45%前後を「札幌ラーメン」でしっとりした食感、35%前後を「旭川ラーメン」で歯ごたえのある食感として大別しています。小樽好みは明らかに「札幌ラーメン」側で、阿部製麺はこれをさらに熟成させた「小樽ラーメン」を開発し、もちろん小樽で最も売れ筋になっており、全国での物産展販売でもリードしています。

なまうどん
なまうどん
物産展エピソード
 阿部製麺の年間売上の3分の1ほどが全国の様々な物産展での「小樽ラーメン」の売り上げになります。
 スタッフ5人(各自異なる地域へ)がそれぞれ様々な地域の百貨店などに出かけて、「北海道物産展」や「小樽物産展」という名のイベントで試食販売をしています。その中で、名古屋の松坂屋本店では「小樽ラーメン」の人気が高く、普通1日10万円でも成功なのが60万円を売り上げ、しかも期間中その勢いは止まらないといいます。試食だけで1日2,000食といいますから、有効な顕在需要が確認できます。

ラーメンスープ
ラーメンスープ
歴史の蓄積
 こうして地域ニーズを把握し、定番をつくりあげ、さらにはその定番を進化させたオリジナルの「小樽ラーメン」を開発し、はたまた名古屋地区や関西から九州地区に大きな市場を開拓するに至るには、気の遠くなるほどの歴史の積み重ねがあります。

沿革
 明治後期に新潟県新発田から阿部正次郎氏が先発の親戚を頼って小樽に一歩を記します。最初は興行主として活動し、その後旅館経営、そして製麺という足跡をたどり、最初は竜宮神社の近くで店を構え、後に花園に移転します。この事業は大いに成功し、暖簾を三人の息子達に継承します。長男は梅ヶ枝町の本田沢、次男は錦町、三男は花園本家にそれぞれ阿部製麺を構えます。
 昭和後期には小樽に製麺会社が18軒ほどあり、そのうち阿部製麺が3軒あったことになり、まさに小樽製麺業界のリーダー役を担ってきたといえます。
 平成21年現在は小樽に3軒を残すのみとなり、次男正雄氏が開いた阿部製麺が桜町に移転し、その長男正道氏が社長、次男恭久氏が専務として伝統を守り主に量販店に出荷しています。他には加藤製麺や新日本海物産があり、ともに業務用が主です。