小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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加工品(1) 後志でなにがつくられているの


有限会社 景星餅菓商
代表 佐藤 辰美 氏


大福
大福
景星とは
 1913(大正2)年創業。初代は秋田県出身で北前船の船乗りだったといわれています。危険で過酷な船乗りに見切りをつけ、小樽に移住しました。学校に勤めた後、貯えたお金で現在地に「佐藤餅店」を開業しました。昭和に入り、二代目の時、「景星餅菓商」となりました。「景星」とは、めでたいことの兆しとして現れる星のことをいい、 商売繁盛を願ってこの名がつけられました。辰美氏は現在四代目です。

べこ餅
べこ餅
なぜ、小樽は餅屋が多いのか
 佐藤餅店創業当時の小樽は、まさに小樽商人が隆盛を極めた時代で、穀物の取引で港は活況を呈していました。各地から米や小豆が集まり、餅を作るための原料を調達しやすかったこと、忙しく働く港湾労働者のお腹を満たす需要があったことが開業のきっかけのようでした。
 このような背景があり、小樽に餅店が多くなったのではと佐藤氏は言います。また、もう一つは寺や神社の数も理由になりそうです。寺や神社は昔からお抱えの餅店があり、お祝い事や祭りの時にお供え物の餅を注文します。そのため、餅店はその近くに店を構えていることが多いのです。寺社の数程とはいかないまでも、組合があった頃は市内に20軒以上の餅店がありましたが、今では10軒程になっています。

すあま
すあま
餅作り
 佐藤氏は本格的にこの道に入って35年。二代目、三代目と共に餅作りをしてきました。この35年間に一番大きく変わったことは、道産餅米の品質が飛躍的に向上したことです。現在佐藤氏が使用している餅米は、道産の「はくちょうもち」。本州米に引けをとらない品質です。餅作りの難しさは気温、水温を読みながらの仕込み。どんな条件でも「景星餅菓商」の餅に仕上げなければなりません。毎日が同じ作業の繰り返しですが、毎日ちょっとした手加減で店の品質を維持しています。
 近年、大手のメーカーが真空パック包装で餅を販売するようになり、消費者は日持ちのする商品を買い求める傾向が高まり、餅専門店の客数は年々減少しているのが実情です。しかし、餅本来の味と食感を分っている長年のお付き合いのお客様と、大きなお供え餅を作る技術を信頼する寺社が今もお店を支えているのです。根強い信頼関係が「老舗」にしていくのです。

お客様の変化
 最近、若い女性のお客様が増えてきています。餅本来の美味しさに気づいたこともさることながら、いわゆる食べ歩き感覚で餅店めぐりをしているとのことです。また東北地方と北海道独特の「べこ餅」もじわりと人気がでてきています。
 最近では千歳市にだるまや干支など、これまでにない色や形の「キャラクターべこ餅」を製品化した店も登場し、学校帰りの女子高生やお孫さん用に買っていく年配のお客様も増え、新たな客層の掘り起こしに一役買っています。製品のアイデアは女子高生といわれています。

手作りの味わい
 大量生産の餅と専門店の餅との大きな違いは食感と米の香りです。
 パックの餅は製造過程で水分を多くしないと機械で成型できないため、餅独特のノビが柔らかすぎることがあります。しかし、臼でついた専門店の餅は水分を抑えながらつくため、出来上がった餅は強い弾力と程よいノビになるのです。また、使用する米も厳選されているので、餅本来の香りがします。パックの餅より割高感がありますが、味で満足感を得ることができます。
 専門店の餅を食べたことがない方には、ぜひとも餅本来の味を知って欲しいものです。