小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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分野(12) 様々な観光

ミュージアム観光
市立小樽文学館
〒047-0031 小樽市色内1-9-5
TEL/FAX(0134)32―2388
http://www4.ocn.ne.jp/~otarubun/bungakukan/yakataindex.html


市立小樽文学館 副館長 玉川 薫 氏
市立小樽文学館 副館長 玉川 薫 氏
観光と文学
 市立文学館の玉川 薫副館長を訪ね、文学館の意図や姿勢、そしてその反響を把握することができました。
「街の人々が集うコミュニティこそが観光資源です。観光客が来ることに焦点をあてて施設を構えるのは危険なことです。街に馴染んだ個性こそが観光の素材であって欲しいと思っています」

古本リサイクルコーナー
古本リサイクルコーナー
転換期
 文学館には平成17年に大きな転換期が訪れました。高齢者が入館無料であったのを150円に、一般100円を300円という値上げをすることになり、以後、入館者は目に見えて減っていきました。そこで小樽文學舎(文学館支援組織)が運営する「古本リサイクルコーナー」と「カフェコーナー」を無料で利用できるようにしました。これが功を奏して徐々に入館者も回復基調になっていきます。

カフェコーナーJJ’s cafe
カフェコーナーJJ’s cafe
新たな展開
 平成10年代には、亀井秀雄館長以下スタッフが新たな文学館のありようを議論しました。
「本・写真・原稿そしてパネルで構成される通常の文学館展示と別に、文学が生み出される文学文化というものがあるはずで、それは喫茶店・市場・映画館・古本屋というような街の環境に負うところが多く、こういったところでのコミュニケーションが文学への動機を生み出してきた。だからもう一度その地点に戻ろう」
 平成12年「古本市」、13年「商大グリークラブコンサート」、14年「小樽・札幌喫茶店物語」、「あがた森魚喫茶店ライブ」「鈴木亜紀ライブ&沼田元気氏トーク」「栗コーダーカルテット・クリスマスコンサート」、15年「小樽市場物語」、「大古本市」、16年「くものすカルテット・コンサート」、「あがた森魚 with イトケン」、「小樽・札幌古本屋物語」、同17年「夜の古本市」、「かとうかなこアコーディオンコンサート」、19年「雪あかりの古本市」などの企画展やイベントを、通常の文学展のかたわら開催してきました。
 その結果、これまで文学館に足を運んだことのない多くの市民が訪れるようになります。

ちまちま人形
 平成21年11月に「ちまちま小樽文壇史+偉人物語展〜高山美香のミニチュア粘土人形の世界〜」が開催されました。
 これはこれまでの企画展も関連します。高山氏が古本屋に勤務していたことから、生まれた作品であり、最初に飾られたのが喫茶店だったからです。本展はインターネット上のブログで取り上げられ、文学や小樽という枠組みからも飛び出し、有志によって出版にまで至ります。
「作家の作品が文学」という固定観念から離れて、この人形たちはポップアートとして、より多くの人々が文学にふれる機会を提供しました。
「そもそも文学はポップアートなんです。昔の落語や芝居や浪曲を、聞くだけではなく読めるもの、つまり本にすることから文学は生まれてきたのですから」

旧手宮線雪中遊歩道プロジェクト 文学館〜総合博物館総合博物館 2010年2月13日午前11時
旧手宮線雪中遊歩道プロジェクト 文学館〜総合博物館総合博物館 2010年2月13日午前11時
既成の壁の向こう〜玉川副館長談〜
「文学がそういうものから生まれるとするならば、文学館が建物の中だけに留まるのもおかしな話です。壁を取り払い外に広がっていくべきと思ったとき、当館は実にいいポジションにあることに気がつきました。小樽繁栄期の銀行街の中にあり、由緒ある手宮線沿いにあり、商店街にも近く、まさに小樽の歴史と共にあり、市民と観光客の接点にもある場所だったのです。
 だから来年度から再来年度にかけてのリニューアルでは、旧手宮線との境界の壁を取り払い手宮線と文学館の一体化を図る予定です。そもそも旧手宮線を主会場にする「小樽雪あかりの路」は伊藤 整の詩集から名づけられたので、伊藤整文学へのアクセスとなる詩情的な展示も行います。こうして一つ一つの既成概念の壁を取り払うことによって新たな文学館のありようを形成できたらと願っています」