小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
bg_top
alwHOMEalw読んでみるalwまちづくり観光(12) まちづくり運動と観光

まちづくり観光(12) まちづくり運動と観光

アートからの動機づけ
NPO小樽ワークス
一級建築士事務所
 株式会社 遠藤建築アトリエ
    代表取締役 遠藤 謙一良 氏


NPO小樽ワークス 遠藤謙一良 氏
NPO小樽ワークス 遠藤謙一良 氏

マロニエ通りの家(札幌)
マロニエ通りの家(札幌)
まちづくり観光
 小樽観光はまちづくり観光といわれますが、そういう人の知恵や運動で成立したムーブメントを端から見守り、「自分も貢献したい」と思っている有能な人々の一人に出会うことができました。小樽出身の建築家遠藤謙一良氏です。
 実際に小樽のまちづくり運動に関わってきた人から見ると「わかってくれる方がいるんだ」という感動であり、小樽観光の当事者から見ると「そんな有能な方が応援してくれるんだ」という安心の気持ちを抱きました。

ポピー歯科クリニック(札幌)
ポピー歯科クリニック(札幌)
ワークス
 小樽ワークスは、本誌8号の「再生史」で取り上げた坂牛邸の再生を目指し2008年(平成20年)に発足しました。代表の遠藤氏は、運河保存運動や雪あかりの路の成果などを同じ小樽人として誇りに思っています。自らは建築家としてこれまでは傍観せざるを得なかったにせよ、小樽のまちづくりにライフワークとして貢献できたらと考えています。

村田歯科クリニック(札幌)
村田歯科クリニック(札幌)
歴史的建造物とアート
 本年(2010)2月11日に旧三井銀行において小樽ワークス主催による「小樽アートフォーラム〜アートによる小樽再生を目指して〜」が開催されました。
 遠藤氏のイメージするまちづくり観光には「場所性」「身体性」「合理性」という3つのフレームがあります。旧三井銀行小樽支店が持つ周辺環境を含めた「場所」や空間の固有の力・歴史を踏まえ、人間が全身の「身体」や心で街や空間を感じ、そして「合理性」とは現代、例えば増えつつある中国人観光客用のサインやガイドをいいます。いわば固有の物件の生かし方の体系を議論することが大きなテーマでした。
 そしてこの体系にアートが入り込むことによって心に染みこむ新しい価値が加わることを期待しています。

スパイラルハウス(小樽)
スパイラルハウス(小樽)
建築とアート
「建築は可能性の輪郭を読み取るもの」と遠藤氏はいい、その思いは、住む人や利用する人にとって「何かいいね」という感動に映れば大成功、その「何かいいね」というところに生命力が宿るといいます。
 言い換えれば、建築設計とは一定の機能をわきまえながら、右脳のひらめき(感性)を左脳で通訳(現実化)する作業であり、そういう意味では素材や広さや色彩の細部、そして間仕切りや建物の形という枠組みをしっかり考える壮大な作業です。
 遠藤氏はここにアートを合体させることを提案してくれます。「何かいいね」「何か癒されるね」「何かウキウキするね」といった名状し難い楽しさが生み出され、その楽しさが次の可能性を呼ぶからです。

まちづくりとアート
 そもそも小樽運河保存に関わった人々の意識を想像してみてください。既に港湾機能である「水運」としての運河の使命は終わっていました。その証拠に「無用の長物」とまでいわれていました。これを見て何故「残したい」と思ったのでしょう。
水辺と石造倉庫の町並みというデザインが魅力的だったからです。この感動には理由は不要です。そして感動を覚えた人々は、このデザインに様々な可能性を見いだしていきます。この可能性に多くの人々が賛同し、その結果が「観光」に帰結してきました。このように運河保存の起点はアートとしての感動でした。

まちづくりとプロデューサー
 遠藤氏は豊かな感性と問題意識を抱いて、様々な地域を観てきています。「魅力的な可能性を感じる地域には必ずプロデューサーがいるという共通点がある」といいます。
 小樽にもプロデューサーはいます。いますがバラバラです。因みにこのバラバラを連携したくて本誌「小樽學」も存在していますが、遠藤氏はそこに「比較できるレベルでの俯瞰」つまり「外からの視点」を指摘してくれています。
 小樽のまちづくりが「無我夢中の独自性」という青春期から、今度は「他者を尊重できる独自性」にシフトすることを提案してくれている気がしてなりません。

〒063-0033 札幌市西区西野3条8丁目2-1
TEL(011)661―3300
E-mail:endo-aa@agate.plala.or.jp
http//www.endo-aa.net/